「半数以上が間に合わない?」高齢者のワクチン接種7月完了に疑問符<新型コロナ>

2021年5月10日 21時19分
 新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種を巡り、菅義偉首相は10日の衆院予算委員会で、政府が目標とする7月末までの完了が可能と報告があったのは、全国1700余の市区町村のうち6割弱の1000程度にとどまると明かした。7日の記者会見で掲げた「1日100万回」ペースの接種が進めば目標を達成する計算だが、各自治体の対応能力を反映した日程とは言えず、実現には疑問符が付く。

◆大規模接種センターを頼りに

 首相は衆院予算委で、自治体が7月末の接種完了に向けた課題として「ワクチンの供給スケジュールや医療従事者の確保」を挙げたと説明。「国として支援して、一つでも多くの自治体に終えていただくよう取り組む」と強調した。
 ワクチンの輸送や保管などを担う河野太郎行政改革担当相は、医療従事者に対する追加の財政的支援や、東京都や大阪府での大規模接種センター開設で、接種の加速化を図る考えを示した。
 政府は当初、接種の完了時期を示していなかった。「いつ接種できるのか」との不満が国民に高まる中、首相は3度目の緊急事態宣言発令を決めた4月23日の会見で、完了めどを初めて明示。その後、6月末までの配送計画も発表し、自治体にもスケジュールの前倒しを促した。

◆「1日100万回」の根拠は…

 一方で、首相が表明した「1日100万回」の接種に関し、加藤勝信官房長官は10日の会見で「7月末までに全員に打っていただくため」と説明した。接種を担う自治体の態勢や能力を基にしたのではなく、完了目標までの残り日数から逆算して導き出した数値だと、事実上認めた。
 立憲民主党の山井和則氏は衆院予算委で、7月末で接種が完了するのは人口が少ない自治体が中心になるとの見方を示し、約3600万人の対象者のうち「半数以上が間に合わないのでは」と懸念した。 (井上峻輔)

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