イスラエル軍が報復でガザ空爆、子ども含む24人死亡 エルサレム衝突が発展、さらなる報復の応酬懸念

2021年5月11日 21時52分
10日、パレスチナ自治区ガザでの爆発で負傷した少年を治療する医療関係者(AP)

10日、パレスチナ自治区ガザでの爆発で負傷した少年を治療する医療関係者(AP)

 【カイロ=蜘手美鶴】パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム主義組織ハマスは10日、イスラエルのエルサレムや中部アシュケロンに向けてロケット弾約150発を発射した。死傷者はなかったが、イスラエル軍はハマスの拠点を空爆し、子ども9人を含む24人が死亡した。今月初旬からイスラエル占領下の東エルサレム旧市街で続く警官隊とパレスチナ人の衝突が発展した形で、今後、さらなる報復の応酬が懸念される。
 4月中旬にイスラム教で最も神聖な月のラマダン(断食月)が始まって以降、イスラエル政府は旧市街の一角でラマダン関連の集まりを禁じ、パレスチナ人が反発していた。今月初旬には、東エルサレムでパレスチナ人住民がユダヤ人入植者に立ち退きを求められる騒ぎがあり、パレスチナ人の怒りが増幅。警官隊に投石するなどして抗議し、大規模な衝突に発展した。
 10日はイスラエルが東エルサレムの「併合」を祝う「エルサレムの日」で、ユダヤ人の極右団体が併合を祝って旧市街に集まった。付近にあるイスラム教の聖地アルアクサ・モスクでは、抗議するパレスチナ人と警官隊が衝突。警官隊がモスク内に催涙弾を撃ち込むなどして鎮圧を図り、300人近くがけがをした。その後、ハマスのロケット弾攻撃へと発展した。
 エルサレムが攻撃されるのは2014年以来で、イスラエルのネタニヤフ首相は「攻撃をしかけるものは、大きな対価を支払う」と述べ、さらなる空爆を行う考えを強調。ハマスの広報官は「攻撃は敵へのメッセージだ」と述べ、ハマスは11日朝にユダヤ人入植地にロケット弾を発射した。
 イスラエル国防省は同日、予備役兵約5000人に招集をかけており、戦闘が拡大する恐れもある。ハマスへ強硬姿勢を示すことで、先日組閣に失敗したネタニヤフ氏が支持回復を狙ったとの見方もあり、アハラム政治戦略研究センター(エジプト)のサイード・オケシャ氏は「支持を得るため、さらに強硬な手段に出ることも考えられる」と述べた。

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