足かけ9年 川崎ワイン ブドウ栽培から醸造まで手がける 麻生の山田さんが7月披露会

2021年5月11日 07時19分

川崎でブドウ栽培も醸造も手がけ、「正真正銘の自家製ワイン」と語る山田貢さん=麻生区岡上で

 川崎市内でブドウの栽培も、醸造も手がけた「川崎ワイン」が誕生した。新宿から電車で約三十分と東京都心にも近い麻生区岡上で、農業生産法人カルナエスト代表の山田貢さん(39)が、ブドウ栽培を始めてから足かけ九年。「正真正銘の自家製ワイン。都市農業の可能性を示したい」と語り、七月上旬にも完成披露会を開く。 (石川修巳)
 完成したのは、明るいルビー色のロゼワイン「蔵邸ワイン 岡上ロゼ2020」。山田さんが岡上の畑で栽培したピノ・ノワールやシャルドネ、メルローなどをブレンドし、十平方メートル余の小さな醸造所で辛口のロゼワインに仕上げた。
 「醸造は初めてで不安しかなかったが、香りの良さにびっくりした。前菜に合わせやすい味わい」と山田さん。七月に披露し、小田急線新百合ケ丘駅近くにある自社のレストランで提供予定という。
 山田さんがブドウ栽培を始めたのは二〇一三年。一七年に初めて収穫し、醸造は東京都練馬区のワイナリーに委託してきた。酒の製造や販売には免許が必要だが、年六千リットル(七百五十ミリリットル入りボトルで八千本分)以上の製造量がないと、ワインづくりの免許を受けられないためだ。
 この基準を緩和するため昨年一月、川崎市が「かわさきそだちワイン特区」を国に申請。同三月に特区認定を受け、少量であっても、農家が自家栽培した果実で自家製ワインを醸造できるようになった。
 山田さんは昨年十一月、特区を活用して製造免許を取得した市内第一号に。昨年八〜九月に収穫して冷凍保存してあったブドウを使い、今年二月に初めて醸造に着手した。
 ブドウの産地と醸造地が同じになったことで、「川崎」や「岡上」の地名も表示できる。次はロゼに加え、赤や白のワインもつくりたいという。
 ただ、山田さんのワインは自営の飲食店での提供に限られ、ボトル詰め販売は認められていない。その実現には、別の特区の条件を満たす必要があり、ハードルがより高くなる。
 山田さんは「ここからがスタート。農業は夢のある仕事なんだと知ってもらいたいし、地域に新たな価値を生み出したい」と話している。問い合わせはカルナエストのホームページへ。

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