ツツジ・シャクナゲ「希少種多く 庭園は日本の宝」 箱根・山のホテルで専門家・倉重さん講演

2021年5月11日 07時24分

見頃となったツツジの庭園=いずれも箱根町で

 「小田急山のホテル」(箱根町)でツツジとシャクナゲを学術調査した新潟県立植物園長の倉重祐二さん(60)が十日、ホテルで講演し「希少種が多く、この庭園は日本の宝。国を代表する園芸文化遺産」と訴えた。四十人が参加した。 (西岡聖雄)
 倉重さんは五年の調査で、希少種三十種を含む約七十種のツツジ、希少種十二種を含む約四十種のシャクナゲを確認した。「マイケル・ウォータラーやステラ・ウォータラーなどここで初めて見た大株のシャクナゲも多く、シャクナゲ園としては日本一、ツツジ園もおそらく日本一で、その両方があるのは国内でここしかない」と語った。
 倉重さんによると、天下太平になった江戸時代、庶民にまで園芸文化が発達。人工交配で品種改良した欧州とは異なり、鎖国していた日本は突然変異株を集める手間のかかる方法でツツジなどの種類を増やした。人工交配では生まれない品種が増え、江戸末期の欧州から「日本は世界一の園芸国」と評価されたという。
 庭園にある江戸時代の品種「飛鳥川(あすかがわ)」は濃紅の絞りが特徴。倉重さんは「この絞り模様は放置するとすぐに消える。絞りが入った花は非常に珍しい。庭園が百年間きちんと管理されていたため」と説明した。
 一方、深い山にあるシャクナゲは江戸時代、園芸化されなかった。三菱財閥四代目総帥の岩崎小弥太らが明治末期に英国から最初に輸入した西洋シャクナゲのゴーマー・ウォータラーの場合「暑さに弱く、最初は赤道を二度通る喜望峰経由で失敗。その後、大西洋から米大陸を鉄道で運んだ」とエピソードを披露した。
 希少種はいずれも大株で、夏も涼しい箱根の気候で残ったという。ゴーマー・ウォータラーやマイケル・ウォータラーは毎年、五月下旬から六月初めに開花する。問い合わせは山のホテル=電0460(83)6321=へ。

講演する倉重さん


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