新型コロナワクチン 接種に向け準備を かかりつけ医に相談/翌日までの安静確保

2021年5月11日 07時21分
 国の緊急事態宣言の対象として新たに愛知、福岡が加わるなど、新型コロナウイルスの拡大が止まらない。対策の切り札とされるワクチンは、今週から六十五歳以上への接種が本格化。政府は十六歳以上の国民全員分についても「九月までに供給されるめどが立った」としている。接種を受けるには、どんな準備が必要か。接種券が届いた後の注意点をあらためてまとめた。 (植木創太)
 「二回目の接種後は全身の筋肉や関節の痛み、微熱もあったが数日で消えた。ただ翌日に夜勤をしたのはきつかった」。東海地方の医療機関に勤める三十代の女性看護師は振り返る。
 米ファイザー社製のワクチンは、三週間の間隔をあけ、二回打つのが基本だ。国内の総接種回数は四百四十四万回(七日時点の医療従事者、九日時点の高齢者の数字を合計)。一回目の接種を終えたのは三百二十八万人で、十六歳以上に占める割合は3%ほど。六十五歳未満の接種時期は夏以降とされ、これから接種券を受け取る人がほとんどだ。
 打つ、打たないは自分の判断だ。受けると決めたら予約が必要だが、名古屋市医師会の感染症担当理事、森亮太さん(50)は「事前にかかりつけ医に相談してほしい」と話す。現在の体調や既往歴、服薬状況などを確認できて安心できる。接種時に持参する予診票も適切に記入でき、不測の事態を防ぐことにつながる。
 接種は自治体によって、主に体育館などでの集団接種、診療所や病院での個別接種、二つの併用がある。予約できたら体調管理を徹底し「会場で他の人に感染させるリスクをなくすためにも、発熱や体調不良があれば無理は禁物」と話す。
 当日は予診票に加え、服薬歴が分かる「お薬手帳」や、薬と一緒に渡される「薬剤情報提供書」を持っていくと、接種の可否が判断しやすい。ファイザー製は、肩の辺りに針を垂直に刺す筋肉注射だ。肩までめくれるTシャツのような服装が便利。接種後に痛みが出ることに備え、日本感染症学会は利き腕ではない方への接種を推奨する。針が神経を傷つける恐れがあるため、腕は下ろした状態で受けることが大事だ。
 接種部位の痛みや疲労、頭痛といった副反応は、特に二回目の接種後に多く見られる。先行接種を受けた医療従事者二万人が対象の調査では、二回目の翌日に三七・五度以上の発熱があった人は四割弱、頭痛は五割強だった。大部分は数日以内に回復するが、当日や翌日は休みを取るなど安静にできる日程にしたい。
 非常にまれだが、急性の重いアレルギー反応「アナフィラキシー」が起きる可能性もある。多くは接種後三十分以内に現れるため、重いアレルギーやアナフィラキシーを起こした経験があるなら、三十分は会場にとどまることが必要だ。
 接種はなるべくリラックスして受けたい。緊張や接種の痛みなどが、立ちくらみや失神につながる場合が考えられるからだ。脳内の神経が刺激されて血圧が低下し、脳への血流が不足する「血管迷走神経反射」と呼ばれる症状で、横になって安静にすれば回復する。
 臨床試験データなどによると、一回目の接種後、免疫ができるには二週間程度かかる。そのため、接種後も三密回避や手洗いといった対策は続けないといけない。変異株が猛威をふるう第四波は厳しさを増している。「発症して重症化する人を減らすためにも、不安なことがあればかかりつけ医に聞いて、前向きに接種を考えて」と呼び掛ける。

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