「何とかならないのか」愛知県西尾市の副市長、スギ薬局創業者夫妻の新型コロナワクチン予約枠の優先確保を指示

2021年5月11日 10時18分
石川県内のスギ薬局の店舗=2020年1月撮影

石川県内のスギ薬局の店舗=2020年1月撮影

  • 石川県内のスギ薬局の店舗=2020年1月撮影
  • 愛知県西尾市の近藤芳英副市長(同市提供)
 新型コロナウイルスワクチンの接種を巡り、愛知県西尾市の近藤芳英副市長が、スギ薬局を展開する「スギホールディングス」(HD、愛知県)創業者で同市在住の杉浦広一会長(70)と、妻の昭子相談役(67)の予約枠を優先確保するよう、市の担当部署に指示していたことが分かった。近藤副市長は本紙の取材に指示を認め「夫妻は市への貢献度も大きく、忙しいお2人なので担当部署に依頼した」と説明。本紙の取材を受け、市は夫妻の予約を取り消した。(角野峻也)
 近藤副市長や複数の市関係者によると、4月初旬ごろ、スギHDの社員から市健康課に「夫妻がいち早くワクチンを打てないか」と相談があった。社員は、杉浦夫妻が薬剤師で医療従事者に当たると主張。市の担当者は当初、医療従事者への接種は県が担当のため「対応しかねる」と断った。
 だが4月中旬、健康課を統括する健康福祉部長から相談を受けた近藤副市長が「何とかならないのか」と指示。市は高齢者の集団接種開始日の5月10日に、杉浦夫妻のワクチンの予約枠を仮押さえした。
 市は集団接種の予約枠について、コールセンターへの電話とホームページ、公式LINEで受け付けている。10日の接種は6日に受け付けたが、当日は6時間で枠が埋まるほど予約が殺到。一方、杉浦夫妻の分は、6日に市健康課へ直接電話すれば予約が完了するように便宜を図ったという。
 本紙が10日に取材し、市は同日、急きょ夫妻の予約を取り消した。近藤副市長は「市民に不信感を抱かせるようなことをした。最前線で働く市職員にも申し訳ない」と謝罪。中村健市長の関与は否定した。

◆スギHD広報室「便宜依頼、一切ない」

 スギHD広報室は取材に「市に問い合わせは何度かしたが、便宜を図ってもらうよう依頼したことは一切ない」とコメントした。
 スギ薬局は杉浦会長の出身地の西尾市で1976年12月に創業。ドラッグストア業界大手で、中部や関西を中心に約1400店を展開している。昭子相談役は今年4月から「西尾市シティプロモーション特命大使」を務めている。

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