女性アスリートの性的画像拡散 選手自身が被害訴え 「盗撮罪」を求める声も

2021年5月11日 11時56分
国立競技場

国立競技場

 女性アスリートの性的な画像の拡散被害は長くスポーツの現場で問題視されてきたが、社会問題化し本格的な対策が始まったのは、選手自身の訴えがきっかけだった。
 昨夏、陸上の日本代表経験もある複数の現役女子選手が、競技会場で胸やお尻など体の一部をアップにした写真を無断撮影されたとして、日本陸上競技連盟アスリート委員会に相談。会員制交流サイト(SNS)で写真に卑わいな言葉を加えて投稿し拡散されるケースや、被害が中高生にまで及ぶことが確認され、関係団体は事態を重くみた。
 JOCや日本スポーツ協会など7団体はこれらの行為を「アスリートへの写真・動画による性的ハラスメント」と位置付け、昨年11月、被害防止に取り組むとの共同声明を発表。特設サイトを開設し、競技会場での盗撮行為やネット上での投稿についての情報提供を呼び掛けている。
 盗撮行為は刑法に規定がなく、都道府県ごとの迷惑防止条例などで取り締まられている。ただ、衣服で隠されている下着や身体を撮影する行為が対象とされ、ユニホーム姿を撮影すること自体は罪に問われない可能性が高い。
 性犯罪に関する刑事法を見直す法務省の検討会では、アスリートらの盗撮の規制も議論されている。検討会委員で、性犯罪被害者支援に取り組む上谷さくら弁護士は「盗撮罪」の創設を訴える。「簡単に写真を撮られて拡散される一方で、ネット上からの回収はほぼ不可能で被害は甚大だ。立法措置を取り、警察も積極的に立件し、重い処罰を受けるとの認識を広げるべきだ」と話す。 (佐藤大)

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