「再調査考えているわけではない」 森友決裁文書改ざん問題で麻生財務相「何を称し『赤木ファイル』か分からず」と釈明

2021年5月11日 21時08分

麻生太郎財務相


 麻生太郎財務相は11日の記者会見で、森友学園に関する財務省の決裁文書改ざん問題について「今の段階で再調査を考えているわけではない」と述べた。自殺した近畿財務局元職員の赤木俊夫さんが改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」の存在を国が認めたが、調査は尽くされているとして、従来の見解を強調した格好だ。
 ファイルは、遺族が国などを相手に起こした損害賠償訴訟で提出を要求したが、国は存否すら明らかにしていなかった。しかし、裁判所が存否の回答を求めると、国は一転、今月6日に存在を認める意見書を出した。6月23日の第4回口頭弁論で提出する予定。
 麻生氏は、これまで遺族の要求に応じなかったことについて「何を称して『赤木ファイル』というか全然分からなかった」と釈明。一転して提出を決めた経緯については「裁判所の要請があったので検討した」と説明した。
 だが、遺族や野党は昨年春以降、繰り返し提出を求めてきた。今年3月に裁判所の要請を受けてから、わずか1カ月ほどでファイルを特定したという説明には野党側から批判の声が上がった。会見に先立ち国会で開かれた野党合同ヒアリングでは「ファイルが特定できていないのになぜ『裁判に影響する』と開示を拒んだのか」などと従来の説明との矛盾を追及した。
 今国会の会期末は6月16日のため、野党側は裁判所への提出前に国会に開示するよう求めた。財務省の担当者は「検討する」と繰り返す一方、「裁判に影響が及ぶので差し支えがあると思う」と開示に否定的な見解を示した。(森本智之)

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