中国、急激に少子高齢化 コロナ影響で出生数減少が加速 

2021年5月11日 21時25分
記者会見する中国国家統計局の寧吉哲局長=11日、北京(共同)

記者会見する中国国家統計局の寧吉哲局長=11日、北京(共同)

 【北京=中沢穣】中国国家統計局は11日、2020年に実施した国勢調査で、総人口(香港とマカオ、台湾除く)が14億1178万人だったと発表した。国家統計局の寧吉哲ねいきつてつ局長は記者会見で、出生数は前年から2割近い減少となる約1200万人だったと明らかにした。1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数である合計特殊出生率は1.3で、日本の1.36(19年)と並ぶ水準となった。総人口に占める60歳以上の割合は2割近くに迫り、中国で少子高齢化が急激に進んでいることが鮮明になった。
 新型コロナウイルスが流行した20年は将来への先行き不安などから、日本や米国でも出生数が減少した。しかし中国の落ち込みは激しく、国内総生産(GDP)での米国超えを視野に入れる習近平しゅうきんぺい政権の戦略にも影響は必至だ。
 中国は国勢調査を10年に1度実施。総人口は10年前の調査から7206万人増えた。60歳以上の高齢者が占める割合は18.7%で、10年前から5.4ポイント上昇した。15~59歳の生産年齢人口は63.35%となり、10年前から6.79ポイント減った。労働力の減少は経済成長の足かせとなりかねない。
 一方、ゼロ~14歳は17.95%を占め、10年前に比べて1.35ポイント増加。寧氏は、16年に一人っ子政策を転換して2人目の出産を認めた効果との考えを示した。実際、16年の出生数は前年比約200万人増の約1800万人となったが、18年以降は政策転換の効果が薄れている。20年の出生数は前年から265万人も少ない。寧氏は「出産適齢女性の人口減少や子育て費用の高騰」などを原因として挙げた。
 新型コロナが中国社会に与えた影響の大きさが鮮明となり、中国が人口減少に転じる時期が早まると予測されている。政府系シンクタンクの中国社会科学院は19年に「27年から減少する」と予測したが、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英字版)は4月下旬、専門家の話として「22年に減少に転じる」と報じた。

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