【一問一答】「不適切だった」「圧力感じた」「かなりしつこかった」 スギHD便宜で西尾市幹部が会見

2021年5月11日 22時00分
「公平性を欠いた誤った判断をした」と頭を下げる近藤副市長(右)ら=愛知県西尾市役所で

「公平性を欠いた誤った判断をした」と頭を下げる近藤副市長(右)ら=愛知県西尾市役所で

 スギ薬局を展開するスギホールディングス(HD、愛知県大府市)の創業者で、愛知県西尾市在住の杉浦広一会長(70)と妻の昭子相談役(67)が優先的に新型コロナウイルスのワクチン接種をできるよう、西尾市が便宜を図った問題。11日の同市の臨時記者会見には、中村健市長や近藤芳英副市長、簗瀬貴央健康福祉部長の3氏が出席した。3氏との主な一問一答は次の通り。
 ―副市長が便宜を図ったのはなぜ?
 近藤副市長「スギHDの会長夫妻には、さまざまな形でご支援をいただいている。何らかの形でお返しができないか考えた。浅はかだった」
 ―具体的な支援は?
 「スギ薬局の1号店跡地に、健康増進施設『西尾市民げんきプラザ』をお二人のご厚意で建てていただき、建物と土地を2017年4月から市へ無償貸与していただいている。同年5月には、快適な街づくりに向けた包括連携協定をスギ薬局と締結している」
 ―市長の関与はないのか。
 「公正ではないということを重々承知していたので、中村市長には相談していない。(中日新聞記者から取材を受けた後に)市長に一連の経緯を報告した」
 ―副市長は辞職する考えはあるのか。
 「自らの責任の取り方については市長と相談する」
 ―関係者の処分は。
 中村市長「現段階では真相究明と再発防止に全力を挙げる。調査後に処分を検討する」
 ―スギ側とは何回くらい電話でやりとりをしたのか。
 簗瀬部長「担当である健康課だけで4、5回はある。私も3、4回は対応したが、何ともならず副市長に相談した。計10回くらいはやりとりしている」
 ―秘書からの電話は圧力に感じたのか。
 近藤副市長「そうだったとの報告を受けている」
 簗瀬部長「かなりしつこかった。再三にわたり要請があった」
 ―市として圧力があったとの認識なのか。
 中村市長「報告の内容から判断すると、通常の働き掛けより強いものであり、現場は圧力、プレッシャーと認識していたと考えている」
 ―やりとりをした簗瀬部長の中で、記憶に残るスギ側の文言はあるのか。
 簗瀬部長「さんざん断った後に(スギHD会長夫妻の秘書から)『ご夫妻は薬剤師なので医療従事者に絡められないか』と言われた。『現場で薬局に出ているのか』と聞いたら『経営者なので出ていない』と言われた。それが印象に残っている。現場に立っていないのに、医療従事者にという要請をしてくることに疑問を感じた」
 ―ほかに便宜を図っている件はないか。
 近藤副市長「全くない」
 ―市民への謝罪は?
 「貴重なワクチン枠を公平な競争でやらず、特別な配慮をしてしまった。公平性を欠くことになり、行政への不信感を募らせた。私が誤った判断をしたことであり、深くおわび申し上げる」
 中村市長「会長夫妻は実際には接種にいたっていないが、優先して予約枠を設けたのは、不適切だった。弁解の余地はない」
 ―10日に副市長が考えを改めた理由は何か。
 近藤副市長「(中日新聞)記者からの指摘を受け、その当時に下した判断が誤りだったと認識した。貴重なワクチンを接種するのを止めなければいけないと考え、スギHDへすぐに連絡した」
 ―庁内の自浄作用ではなく、外部からの指摘を受けて判断を改めたのか。
 「残念ながらそのとおりだ」
 ―部署内の自浄作用はなかった。
 簗瀬部長「担当課である健康課は依頼を断っている。あくまで責任は近藤副市長と私にある」

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