国民投票法改正案が衆院通過 コロナ禍での改憲論議に批判の声も

2021年5月11日 23時41分
国会前に座り込んで、衆院での国民投票法改正案可決に抗議する人たち=11日、東京・永田町で

国会前に座り込んで、衆院での国民投票法改正案可決に抗議する人たち=11日、東京・永田町で

 改憲手続きを定めた国民投票法改正案は11日の衆院本会議で、共産党を除く与野党の賛成多数で可決され、衆院を通過した。自民、立憲民主両党は6月16日までの会期内成立で合意している。来週にも参院で実質審議に入るが、新型コロナウイルス禍の最中に改憲論議に関わる法案審議を進めることを批判する声も出ている。(川田篤志、横山大輔)
 改正案は、駅や商業施設への共通投票所設置を可能にするなど、公選法の規定に合わせた7項目の見直しで国民投票の利便性を高める内容。立民の修正提案に基づき、法施行後3年をめどに国民投票運動中のCMや運動資金の規制を検討する条項を付則に明記した。
 自民党の二階俊博幹事長は記者会見で「長い懸案だったが、最初の扉が開かれた」と改憲論議の加速に期待を示した。一方、共産党の赤嶺政賢氏は本紙の取材に「改正案はこれが終わったら改憲4項目に移ろうという呼び水だ」と指摘。その上で「コロナ禍だからこそコロナ対策を優先すべきで、憲法に緊急事態条項を入れようと議論するのは筋違い」と主張した。
 これに先立ち「改憲問題対策法律家6団体連絡会」は抗議声明を発表。良識の府と称される参院が今国会成立を前提に「アリバイ的な『審議』に堕する」ことは存在意義を失わせる行為だとして、徹底審議を求めた。
   ◇   ◇
 一方、改憲手続きを定める国民投票法改正案に反対する複数の団体が11日、国会前で集会を開き、100人以上が衆院採決に抗議した。
 「改憲・戦争阻止!大行進」呼び掛け人の森川文人弁護士は改正案について「改憲ありきの法律。CMや運動資金の規制、最低投票率導入といった問題は残ったままだ」と指摘した。抗議行動の途中、衆院本会議で可決されたことが伝わると、「九条改憲や緊急事態条項を創設するためのステップが一段階、進んでしまった」などと落胆する参加者もいた。
 労働運動団体で代表を務める大盛力さんは「参院で法案が審議入りしてもこの場に駆けつけ、廃案にすべきだという声を国会に届けたい」と語った。(山口哲人)

関連キーワード

PR情報

政治の新着

記事一覧