マイナンバー事業で9件のシステム障害 再発防止策に30億3000万円の追加費用

2021年5月12日 06時00分
マイナンバーカードの見本

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 地方公共団体情報システム機構(J―LIS)発注のマイナンバー事業で、2015~20年に少なくとも9件のシステム障害が発生し、再発防止のためのシステム増強などで計約30億3000万円の追加負担が生じていたことが機構への取材で分かった。国が全額支出した。うち8件は、IT大手5社が1者応札で設計・開発した中核システムで起きていた。(デジタル政策取材班)
 機構は「マイナンバー事業は事故を起こせない」などとシステムの安定稼働を理由に、中核システムに携わった5社と、その後の関連事業で随意契約を繰り返している。トラブルの続発により、業者選定の妥当性が問われそうだ。
 機構の公表資料などを基に本紙が問い合わせ、機構が9件の障害を認めた。機構は「(9件で)主要なものは網羅している」として、他のトラブルは明らかにしていない。
 中核システムの設計・開発は、NTTコミュニケーションズ、日立製作所、NEC、NTTデータ、富士通が約69億円で14年に受注した。マイナンバー制度が始まる直前の15年12月に最初の障害が発覚し、制度が始まった16年1月以降も相次いだ。17年2月の1件を除くと、いずれも中核システムで起きた。
 トラブル解消の費用は5社などが負担したものの、再発防止策の11件、計約30億3000万円は機構の負担で追加発注。うち10件をNTTコミュニケーションズが受注(共同受注を含む)するなど、トラブルを起こした業者に依存する状況が浮き彫りになった。
 機構の窪田優一・情報化支援戦略部担当課長は「トラブル原因の究明や復旧の際、新しい事業者では、知識や経験が不足してトラブルが長期化する恐れがある。トラブルの発生は遺憾だが、個々の契約自体は適切に行われた」と回答した。

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