<山崎まゆみのバリアフリーで行こう>墨田で黒湯を楽しむ 銭湯に貸し切り風呂

2021年5月12日 07時05分

脱衣所にベッドが置かれた福祉型家族風呂。奥は浴場

 東京は大温泉地帯であることをご存じでしょうか。その大半は「黒湯」の愛称で親しまれ、植物が腐植したもの。多くはアルカリ性で重曹成分を含むので、湯上がりは肌を触ることが楽しくなるほど、つるつるになります。
 墨田区に黒湯の源泉を保有する大人気の銭湯「御谷(みこく)湯」があります。「江戸前銭湯をコンセプトにしていますが、高齢のお客さんのために、2015年のリニューアルで全館バリアフリーにしました」(若旦那・片岡信さん)
 壁面が異なる浴場が4階と5階にあり、週替わりで男女入れ替え。なんと、5階の半露天風呂からは東京スカイツリーが望めます。
 「黙浴」というポスターが掲示され、お客さんたちはおしゃべりなしでも、それぞれにくつろいでいました。
 車いすを使用する人は、玄関で車輪を拭いてから、脱衣所まで入っていけます。洗面台には手すりを設置。湯船の高さは20センチと低めでまたぎやすいので、伝い歩きができて、同性の介助者がいれば、使いやすい浴場です。

浴場には湯船が2つあり、手前は回転いすが付いている=いずれも東京都墨田区で

 「社長が『老老介護のお客さんのために』と異性でも介助ができる貸し切り風呂を作りました」(片岡さん)と、見せてくれたのは1階フロント奥にある「福祉型家族風呂」。
 東京都の条例で混浴は禁じられているために、墨田区に特例で認めてもらいました。利用するには、障害者手帳か要介護証明、もしくは診断書の提出が必要です。
 脱衣所には高さ35センチ、110センチ×190センチのベッドがあるので、洋服の脱ぎ着はここで。必要なければベッドは収納でき、スペースを広く使えます。シャワーチェアーとシャワーキャリーが常備。
 浴場は白木の湯船が2つあり、奥には普通の湯船。手前のバリアフリータイプの湯船は移乗台があり、回転いすが付いています。また湯船の中で腰かけるための板をセットすることができます。
 「このお風呂を目当てに遠方からもいらっしゃいます。コロナ禍以前ですが、フランス人のおばあちゃんがホテルの人に付き添われてきたこともありました」(片岡さん) (温泉エッセイスト)
<メモ> 御谷湯=(電)03・3623・1695、「福祉型家族風呂」は90分1人1500円。要予約。

関連キーワード

PR情報

シニア・介護の新着

記事一覧