幕末のコレラからスペイン風邪まで 疫病との闘い 振り返る 袖ケ浦市郷土博物館で企画展

2021年5月12日 07時07分

近代日本と疫病の歩みを紹介した企画展=袖ケ浦市郷土博物館で

 新型コロナウイルスの終息が見通せない中、袖ケ浦市郷土博物館は、昔の地元の人たちが疫病とどう向き合ってきたかを知ってもらおうと、企画展「病と医療」を開催している。幕末、明治、大正時代の古文書を中心に約百五十点の資料が並び、苦難の時代をどう乗り越えていくか、訪れた人たちに生きるヒントを投げかけている。七月四日まで。 (山田雄一郎)
 全国の自治体が新型コロナへの対応を探る際、今から百年前の一九一八〜二一年、世界的に流行した「スペイン風邪」に大正時代の日本政府と日本人がどのように接していたかに注目が集まるようになり、同館も収蔵資料を調査。疫病について触れた手紙や医師の診断書、薬袋、薬の処方書などが確認された。
 同館の桐村久美子学芸員は「資料は市民との共有財産なので公開することにした。力強く生き、大変な時代を乗り越えた人たちに学ぶきっかけになればと思う」と企画理由を説明する。
 展示は(1)疫病流行(2)病気とたたかう(3)近代医療の夜明けと病院建設(4)養生、そして健康へ−と四つのタイトルで構成。幕末−明治にコレラが流行し、天然痘やはしか、赤痢におののく人たちが温泉で療養したり、漢方薬を服用。種痘の普及で天然痘が抑えられ、地域で病院建設が進んだこと、衛生・予防・栄養学の変遷が紹介されている。

スペイン風邪にかからないよう、和紙で作られた紙マスク=袖ケ浦市郷土博物館提供

 資料の中にはスペイン風邪にかからないよう、個人が作成した紙マスクも。神主の家系に当たる市民から寄託されたもので、和紙と紙のこよりでできており、しみの痕が生々しい。現代の不織布のマスクに近い形状となっている。
 午前九時〜午後五時。月曜・祝日の翌日は休館。無料。五月二十三日と六月十九日、七月四日の午前十一時からは展示解説会が予定されている。問い合わせは、同博物館=電0438(63)0811=へ。

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