<オールドノリタケ×若林コレクション>(上) 洋風のバラに先進性

2021年5月12日 07時27分

色絵金盛薔薇文飾壺  1891〜1921年頃

 明治中期から第二次世界大戦期にかけて主に米国向けに輸出された陶磁器「オールドノリタケ」の企画展「オールドノリタケ×若林コレクション アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン」(東京新聞主催)が笠間市笠間の県陶芸美術館で開かれている。同館の芦刈歩学芸員に三点を紹介してもらった。
 オールドノリタケとは、株式会社ノリタケカンパニーリミテドのルーツである「森村組」と、その関連会社としてのちに設立された「日本陶器」によって製造販売された輸出陶磁を指し、その始まりは明治時代にさかのぼる。
 今回紹介する作品は、胴部にあふれんばかりの紅白のバラが施された森村組時代の飾壺(つぼ)である。バラはオールドノリタケで最も多く見られるモチーフである。明治以前の日本の工芸品にもバラは描かれてきたが、ここに表されているのは十八世紀以降のヨーロッパで主流となったハイブリッド・ティー系統の品種であり、日本の伝統的なバラ文様とは異なる。
 平筆で花弁や葉を表現する描き方も、従来の日本陶磁に見られる輪郭線を引いて模様を描く方法と一線を画している。アメリカを中心とした顧客のニーズに応え、洋風の絵付を採用した森村組の先進性がうかがえよう。
 会期は6月27日まで。午前9時半〜午後5時。月曜休館。観覧料は一般840円、70歳以上420円、高校・大学生630円、小中学生320円。JR友部駅から「かさま観光周遊バス」(100円)で15分、笠間駅からタクシーで5分。問い合わせは県陶芸美術館=電0296(70)0011=へ。

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