ライチョウ親子、野生復帰目指す 繁殖順化施設が完成 中央アルプスの生息環境再現

2021年5月12日 07時29分

生息環境が再現された屋外エリアを紹介する佐藤園長=那須どうぶつ王国で

 国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」の保護増殖を目指す環境省の事業に参加する那須どうぶつ王国(那須町)に「野生復帰順化施設」ができた。中央アルプスから野生のライチョウを迎えて繁殖、新たに誕生した親子を野生に返す。佐藤哲也園長は「ライチョウの保全活動の集大成になる。ぜひ成功させたい」と話している。 (小川直人)
 園内の非公開エリアで倉庫として使っていた建物を活用した。屋外部分は約三百二十平方メートルで、隠れ場となるハイマツや岩を置き、生息環境に近い山岳地帯のガレ場を再現した。費用は昨年実施したクラウドファンディングで集まった約二千五百万円を充てた。
 夏以外は屋外で過ごし、生息環境と同様に風雨や雪を経験させる。野生のトビやタカが上空を舞うこともあり、ヒナは身を隠す行動を親鳥から学ぶ。一方、強固な金網でイタチなどの侵入を防いでいる。

那須どうぶつ王国で飼育されているライチョウ

 今後、同園で生まれた個体を屋外部分に放して行動を確認する。環境省の計画では、八月には中央アルプスから野生のライチョウの親子をヘリコプターで移送する。二〇二二年には、施設で成長した個体を別の動物園の個体と交換して繁殖を目指す。成功すれば、二三年に新たな親子を中央アルプスに移す。
 佐藤園長は「クラウドファンディングで応援してくれた皆さんのおかげで取り組める。移送されてくる親子が実際にどのような行動を見せるか楽しみだ」と期待している。

関連キーワード

PR情報

栃木の新着

記事一覧