デジタル庁が9月に発足 改革関連6法が成立「個人情報保護を後退させる恐れ」

2021年5月12日 21時47分
国会議事堂

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 デジタル庁設置や個人情報保護法改正を盛り込んだデジタル改革関連6法が12日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。菅義偉首相の看板政策、デジタル庁が9月1日に発足する。個人情報を含むデータを国や地方自治体、民間の間で円滑に利活用し、迅速な行政サービスにつなげることを目指す。関連法に反対する法律家らは「個人情報保護を後退させる危険がある」として、政府の個人情報保護委員会の権限強化を訴えた。(清水俊介、井上峻輔)
 採決では、立憲民主党がデジタル庁設置法など3法に賛成、個人情報保護が不十分などとして3法に反対した。共産党は全てに反対した。

◆職員は500人規模、100人以上を民間から起用

 デジタル庁は首相をトップとし、担当閣僚のデジタル相を置く。司令塔としての機能を発揮するため、他省庁に業務見直しなどを勧告する権限を持つ。職員は500人規模で、100人以上を民間から起用する方針。
 改正個人情報保護法は民間や行政機関、各地方自治体でばらばらだった個人情報保護制度を統一。民間を対象にしていた個人情報保護委員会は、国の行政機関や自治体も監督することになる。
 平井卓也デジタル改革担当相は12日、個人情報保護について「利用と保護のバランスを図っていく」と記者団に語った。

◆法律家「政府によるデータの恣意的乱用を許さない」

 「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」は記者会見し、「政府によるデータの恣意的乱用を許さない」などと成立に抗議する声明を発表。「必要性、相当性があれば、個人の同意なく利用・提供が可能だ」と個人情報保護が後退しかねないと懸念を示した。メンバーの三宅弘弁護士は、現在約150人の個人情報保護委員会について「800人程度の職員と地方事務所を有する組織に拡大強化することが必要だ」と指摘した。
 関連法には、災害時などの現金給付を迅速化するため、マイナンバーと預貯金口座のひも付けを任意で可能とする仕組みや、一部の行政手続きでの押印廃止などが盛り込まれている。

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