よみがえった茅葺き屋根の伝統美 19年秋の台風15号で被災 国の重文「旧尾形家住宅」

2021年5月13日 07時21分
 2019年9月の台風15号で被災した南房総市石堂の国指定重要文化財「旧尾形家住宅」の修復作業が終わり、伝統技術で美しい茅葺(かやぶ)き屋根がよみがえった=写真。市教育委員会は「新型コロナウイルスの動向を見ながら、いずれまた内部を公開したい」としている。
 同住宅は主屋から土間が切り離された分棟型(別棟造り)と呼ばれ、柱に残っていた墨書から1728(享保13)年に建てられたことが分かっている。旧所有者の尾形家は同市丸山地区の農家で、江戸時代には名主を務めた。1969(昭和44)年に国の重文となり、72年に解体修理した際、旧丸山町へ寄贈され、現在地へ移転した。
 台風15号では屋根の茅が吹き飛ばされ、土壁や雨戸も損壊し、室内は水浸しになった。市は文化庁の指導のもと昨年2月から今年3月にかけ修復作業を実施。屋根の茅をすべて撤去して葺き直し、破損した土壁を塗り直した。雨戸の一部補修も行い、大規模な地震に耐えられるよう耐震補強を施した。総事業費は約4788万円。
 旧尾形家住宅は南房総最古として知られる石堂寺の境内に立ち、県の「房総の魅力500選」の一つに数えられている。 (山田雄一郎)

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