<オールドノリタケ×若林コレクション>(中) ポップなアールデコ

2021年5月13日 07時24分

色絵ラスター金彩花文オウム付蓋物 1920〜31年頃

 花々が集められたブーケのような形の蓋(ふた)に、オウム型のつまみがついた愛らしい蓋物である。本作品からは、前回紹介した飾壺(つぼ)のような贅(ぜい)を尽くした装飾品とは全く異なる、ポップで親しみやすい雰囲気が感じられる。これは「ノリタケ・アールデコ」と呼ばれる、一九二〇〜三〇年代初頭に大量生産された一連の作品の特徴である。
 アールデコとは、機械工業の発達を背景に第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまに花開いたスタイルで、幾何学的形体や単純化された文様、明快な色彩などで知られる。ノリタケ・アールデコには幾何学文様を持つものもあるが、本作品のように柔らかく温かみのある作例も多い。表面を彩る虹色の輝きは、ラスター彩という装飾技法によるものである。ラスター彩の金属質な質感は都市化が進んだ当時のアメリカで愛され、ノリタケ・アールデコに多く用いられた。(芦刈歩・県陶芸美術館学芸員)
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 「オールドノリタケ×若林コレクション アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン」(東京新聞主催)は笠間市笠間の県陶芸美術館で6月27日まで開催中。午前9時半〜午後5時。月曜休館。観覧料は一般840円、70歳以上420円、高校・大学生630円、小中学生320円。問い合わせは同館=電0296(70)0011=へ。

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