運動習慣や健診結果 改善すると還元や割引 健康増進型保険の商品増える

2021年5月13日 08時10分
 一日に八千歩以上を歩く、体格指数(BMI)や血圧の数値が改善する−。こうした加入者の運動習慣や健康状態に応じて、医療保険などの保険料が安くなる「健康増進型保険」が増えている。運動不足や食生活を見直すきっかけになりそうだが、加入を考える際は注意点もある。 (河郷丈史)
 健康増進型保険は毎年の健康診断の結果や運動習慣によって保険料が割り引かれたり、還付金を受けられたりする商品。加入者の健康づくりへの意欲が高まることで、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる「健康寿命」が延び、社会全体の医療費の削減にもつながることが期待されている。
 明治安田生命保険は二〇一九年四月、病気やけが、介護などに備える総合保障保険「ベストスタイル」で、加入者が毎年提出する健診結果に応じて保険料を還元する「健康キャッシュバック」をスタート。今年三月までの二年間で、販売件数は七十万件を超えた。
 BMIや血圧、尿タンパク、肝機能などの数値をポイント化し、健康状態を三段階にランク付け。ランクに応じて保険料の一カ月分〜〇・一カ月分が還元される。健診結果を踏まえ、統計データに基づく疾病リスクの予測や、健康づくりの助言をまとめた「MY健活レポート」も受け取れる。
 加入者からは「頑張って数値を改善したくなった」「家族で健診を受けるきっかけになった」といった声が寄せられているといい、広報部の森田あづささん(42)は「健康意識の改善に役立っているのでは」。来月には、健診の数値の悪化後、早めに医療機関を受診すれば二万円を給付する「早期発見・治療支援特約」などを新たに発売する。
 健診結果に加え、健康増進への行動そのものを評価する商品もある。
 住友生命保険が一八年七月から販売する「Vitality(バイタリティー)」は、ウオーキングやジムの利用、運動イベントへの参加といった取り組みを細かくポイント化。スマートフォンやウエアラブル端末で歩数や心拍数を計測してもらうなどして加入者の運動実績を管理する。ポイントの獲得状況に応じて保険料が安くなったり、ドリンクチケットがもらえたりする恩恵がある。
 SOMPOひまわり生命保険は、二五年をめどに原則全ての商品を健康増進型に切り替える方針だ。現在扱っているのは医療保険や認知症保険、団体保険など八種類。例えば、収入保障保険「じぶんと家族のお守り」は、契約後の所定の期間内に喫煙状況や健康状態が改善すれば保険料が引き下げられ、支払い済みの当初の保険料との差額を祝い金として受け取れる。
 「運動を心掛けたり、食事に気を付けたりと健康への意識を高めるきっかけになる。保険料が安くなる仕組みはモチベーションの維持にもつながる」。ファイナンシャルプランナーの伊藤勝啓さん(42)は健康増進型保険のメリットを話す。
 一方、健康状態が悪化すると、逆に保険料が上がる場合も。特典の内容や条件も多岐にわたり、どの商品を選べば保険料が安いのか、一律に比較しにくい。また、保障内容そのものは従来の医療保険や死亡保険などの商品と変わらない。「公的な医療保険に加入していれば、高額療養費制度などで自己負担額はある程度抑えられる。割引などの特典に飛び付くのではなく、保障内容が本当に必要かどうかよく考えて」と話す。

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