米共和党が反トランプ派の幹部を解任 元副大統領の長女チェイニー氏

2021年5月13日 19時52分
ワシントンの米議会議事堂で12日、記者に向けて話す共和党のリズ・チェイニー下院議員(ゲッティ・共同)

ワシントンの米議会議事堂で12日、記者に向けて話す共和党のリズ・チェイニー下院議員(ゲッティ・共同)

 【ワシントン=金杉貴雄】米共和党の下院議員団は12日、トランプ前大統領を批判するリズ・チェイニー議員(54)をナンバー3のポストから解任した。1年半後に米議会上下両院で行われる中間選挙に向け、影響力を保持するトランプ氏の強固な支持層なしでは戦えないと判断した。共和党は「大統領選で大規模な不正があった」と虚偽の主張をするトランプ氏に依存し続けることを選択した。
 チェイニー氏は、ブッシュ(子)政権で副大統領を務めたディック・チェイニー氏の長女。米議会襲撃事件を受け、下院が1月に可決したトランプ氏の弾劾訴追決議にも賛成した。後任には親トランプ派の女性議員が就く見通し。
 チェイニー氏は解任後、トランプ氏による「大統領選の不正で勝利が盗まれた」との主張を「大うそ」とあらためて批判。「トランプ氏が大統領執務室に近づかないように全力を尽くす」と表明し、党はトランプ氏と決別すべきだとの考えを示した。
 トランプ氏は12日の声明で、チェイニー氏を「身の毛もよだつ人間」と酷評。来年秋の中間選挙では下院議員再選を目指すチェイニー氏に党予備選で対抗馬を立て、落選させることを狙っている。
 トランプ氏の共和党内での影響力は依然大きい。CNNなどの最新の世論調査では、昨年の大統領選で実際にはバイデン氏が勝利していなかったとの回答は共和党員では約70%にも上っている。
 一方、党外ではトランプ氏への批判は強まっている。4月のNBCニュースの世論調査では、無党派の有権者でもトランプ氏への好感度は14%だった。
 共和党下院トップのマッカーシー院内総務は、チェイニー氏の解任を「党の団結が目的だ」と主張。党内でトランプ氏とチェイニー氏の対立が続けば、選挙への悪影響は避けられないと判断したとみられる。党重鎮のグラム上院議員は「共和党はトランプ氏なしで前進できるか。答えはノーだ」と発言し、トランプ氏と離れることはできないとの考えを示していた。

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