ワクチン接種 「集団」「個別」併用だとスムーズ 自治体に明暗 「高齢者7月末完了」都内67.7% 全国85.6%

2021年5月14日 07時19分

施設に入所していない65歳以上の一般高齢者を対象にしたワクチン接種をいち早く始めた八王子市の会場=4月12日

 高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種は多摩地域でも本格化している。国の調査によると、政府目標の「七月末までに完了」が可能だとする都内の自治体は六十二市区町村の67・7%にとどまり、全国平均の85・6%を下回る。多摩地域の現状を探ってみると、地元医師会と連携し、集団接種と個別接種を併用している自治体は比較的順調な見通しを示している。 (布施谷航)
 立川市は市内約七十カ所の医療機関の協力を得て、個別接種を十一日に開始した。一日の接種回数は計千回程度だという。十五日からは土日を中心に集団接種を七会場で順次行う。各医療機関や集団接種会場の効率化による接種回数の増加を前提に、七月末までに四万五千人余りの接種が完了すると見込む。
 調布市も、七月末までに高齢者約五万四千人の接種完了を目指す。京王線調布駅前の仮設会場で、いすに座った高齢者の間を医師が巡回する「調布方式」で集団接種をしており、一層の効率化を図る。各医療機関での個別接種の状況もみながら、新たな接種会場の設置も検討する。
 いち早く一般高齢者への接種を始めた八王子市は、平日に市役所や商業施設など六会場で、休日には地区ごとの小中学校の体育館で集団接種を進める。個別接種は始まっていないが、五日時点で六万九千百四十回の接種を完了。担当者は約十六万人の接種に関し「計画通り七月中に終了する予定」と安堵(あんど)している。
 小平市は今月二十四日に集団接種を始めるが、現状の試算では七月末までに接種を終えられるのは、高齢者の六割、約二万八千人とみる。個別接種は今後始める方針で、小林洋子市長は「個別接種が増えるよう診療所に協力をお願いしている」と説明する。
 昭島市では、集団接種会場の予約枠四千人分が七月下旬まで埋まり、残る約二万六千人の接種には見通しが立っていない。青柳裕二・市保健福祉部長は「他の会場を探すなどして対応したい」と話した。
 青梅市は集団接種会場を十カ所設けたが、うち八カ所は月二回の実施にとどまる。担当者は「今のペースでは国の目標にはまったく届かない」と頭を抱える。個別接種の開始に向けて医師会と協議しているが、時期は見通せないという。
 府中市の担当者は高齢者約六万人の接種には「八月いっぱいかかるのではないか」と見通しを示す。「とにかく医療関係者や職員の人手が足りない。みんな連休を返上して対応しているのだが」とこぼした。

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