ワクチン接種予約、電話つながらずネット使えず…戸惑う人たちを共助で救う<新型コロナ>

2021年5月15日 06時00分
 新型コロナウイルスのワクチン接種が本格化したが、予約さえおぼつかないお年寄りもいる。電話回線はふさがり、インターネット予約も使い方が分からない…。戸惑う人たちが取り残されないように、一部の自治体は民生委員やケアマネジャーなどを活用。町内会が予約代行するなど共助の動きも出てきた。 (中村真暁、布施谷航、梅野光春)

埼玉県狭山市でのワクチン接種予約の代行サービス。タブレットを操作して、高齢者㊨の予約を受け付ける市職員=5月10日撮影

◆高齢者は四苦八苦

 「行政手続きのネット申請が増える中、高齢者は苦労している。パソコンやスマホを使い慣れないお年寄りに接種予約は無理だ」。静岡県三島市の地域包括ケア推進課の担当者は接種予約のインターネット受け付けに不安を感じた。
 市は民生委員や要介護者と接するケアマネジャー、独居高齢者を訪問支援する地域包括支援センターの職員などが、接種予約の「お助け隊」を結成。自宅を訪ねるなどして手続きを説明したり、予約を手伝ったりしている。8日までに高齢者の6割にあたる1万7640人が1回目の接種の予約を終え、このうち93%がネット予約だった。
 75歳以上の人口に占める一人暮らしの割合が全国の区市で最も高い東京都豊島区でも、民生委員が一人暮らしの高齢者に予約方法を説明したり、移動が困難な人がいれば区に相談したりする。区民生委員児童委員協議会の寺田晃弘会長(76)は「近くに身内がいない人たちなどに安心感を与えたい」と話す。

◆若者の力活用

 4月20日の予約開始時に電話が殺到し、市役所の窓口も大混乱した神戸市。「ネット予約を活用してもらおう」と、学生を中心とした若者に高齢者の予約を手伝ってもらう仕組みを運用している。
 時給1080円で若者を100人募集。役所や体育館など市内約20カ所に配置したほか、集団接種会場で2回目の接種予約を手伝い、6日までに2万件の予約をサポートした。
 行政とは別に、自治会が独自に支援する地区も。東京都八王子市の館ケ丘団地では、自治会の役員らがパソコンやスマートフォンの操作が苦手な高齢者のネット予約を代行している。
 団地の全2300世帯のうち、65歳以上の人がいる世帯は6割で、これまでに100人以上の予約を取り付けた。高齢の女性の部屋で未開封のワクチン接種案内を見つけ、予約につなげたことも。高瀬智規自治会長は「案内が届いてもどうしたらいいか分からない人もいる」と話した。

◆町内会がまとめて予約

 民間病院と連携してコロナ対策に取り組む墨田区は、集団接種と個別接種を併用する。区保健所の西塚至所長は「集団接種を取り入れると、近所で『行く?』と声を掛けるきっかけになる。ネットが苦手なお年寄りの代わりに、町内会がまとめてオンライン予約をした地区もある。下町ならではの共助で接種を行き渡らせたい」と力を込める。

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