<オールドノリタケ×若林コレクション>(下) コレクションの原点

2021年5月15日 07時44分

コバルト金彩ティーセット  1908年以降

 クリーム色の地に施されたコバルトブルーと繊細な金彩模様が美しいティーセットである。
 展覧会では若林コレクションの優品約二百五十件を見ることができるが、今回紹介する作品は数ある出品作の中でも特別な意味をもつ。なぜなら、本作は若林コレクションの原点だからである。同コレクションを作り上げた若林経(つね)子氏とオールドノリタケとの出会いは、少女時代にさかのぼる。戦後の物不足の状況下、物々交換によって家にやってきたのがこのティーセットであった。これが若林コレクション第一号となった。
 よく観察すると、なかにはコバルトではなく黒が使われている盆があったり、カップ&ソーサーの形がまちまちだったりと、異なる種類のものが混在していることがわかる。これは、本作品が戦後の混乱期に方々から集められたことによる。物語が感じられる一品である。 (芦刈歩・県陶芸美術館学芸員)
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 「オールドノリタケ×若林コレクション アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン」(東京新聞主催)は笠間市笠間の県陶芸美術館で6月27日まで開催中。午前9時半〜午後5時。月曜休館。観覧料は一般840円、70歳以上420円、高校・大学生630円、小中学生320円。問い合わせは同館=電0296(70)0011=へ。

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