eスポーツ 熱闘スポット!

2021年5月16日 06時30分

北区の赤羽岩淵駅にできるeスポーツジム。プロプレーヤー(右)が指導する

 コンピューターゲームの腕前を競う「e(イー)スポーツ」は、2022年のアジア大会(中国・杭州)で初めて正式種目となるなど認知度上昇中。題材はスポーツのほか、フィールド上で相手を倒す戦闘ゲームなど幅広い。上級者の戦いはネット中継され、海外大会で賞金数億円を手にするプロ選手もいる。こうした流れを受けてトレーニングジムや、子ども向けの教室も出現した。

◆【ジム】 プロが指導 メトロ赤羽岩淵駅に誕生

東京メトロ赤羽岩淵駅の出入り口の上にあるeスポーツジム

 外観はジムを名乗るにふさわしいガラス張りで、中に入ると高性能のパソコンがずらり。こんな「eスポーツジム」が、東京メトロ南北線の赤羽岩淵駅(北区)の地上部に完成した。東京メトロとeスポーツ教育の「ゲシピ」(千代田区)が開く一号店。緊急事態宣言解除後の開業を目指す。
 プロ選手のレッスンを受けられるのが売りという。四月末の報道公開ではプロが画面を指さしながら「これは魔法使い」「このキャラとは相性が悪い」と解説したり、マウスを操り「こうすると画面が変わって、遠くが見える」とコツを伝授した。ゲームオーバーの際は「大丈夫、大丈夫」と温かい声掛けも忘れず、再挑戦を促していた。

高性能のパソコンとゲームがしやすい椅子が並ぶ

 約五十平方メートルの室内にパソコンとヘッドホンが計十二セットある。パソコンは家庭用より映像処理に優れていて、キャラクターが滑らかに動かない、画面が固まるなどのトラブルを回避できる。ゲシピの真鍋拓也社長(44)は「スペックの高い設備とガラス張りの明るい空間が特徴」と胸を張る。
 高校時代、ゲームセンターに通って対戦型ゲームで幅広い世代と交流し「社会勉強になった」と振り返る真鍋さん。当時のゲーセンの中は暗く、不良のたまり場のような印象もあった。「それでジムは明るくした。地元の小学生からお年寄りまで、余暇を真剣に楽しむ場にしたい」と願う。
 開業時には「リーグ・オブ・レジェンド」「ぷよぷよ」など、いずれもオンラインで対戦する五種類を用意。海外も含め競技人口が多いゲームを中心に据えた。ゲームの追加や入れ替えも検討するという。

オープンを前に気合が入るeスポーツプロプレーヤーの講師ら

 営業時間は平日午後三時〜同十時、土日祝日午前十一時〜午後十一時。依存症対策で一回の上限は三時間とし、夜通しの営業はしない。料金は通常会員で月額五千五百円、プロのレッスンは一時間で二千七百五十円などと設定する。
 eスポーツ向けのジムは、JR東日本のグループ会社がJR松戸駅(千葉県松戸市)に開設するなど、徐々に広がりつつある。東京メトロの担当者・大原恭子さん(41)は「コロナ禍で減った運賃収入はなかなか戻らない。独自のeスポーツ大会の開催やプロ選手の育成を進めつつ、新事業として店舗を増やせれば」と話した。

◆【塾】 「ゲームで計画力もチームワークも学習」

 子どもの習い事に、eスポーツはいかが? 小学生対象のeスポーツ教室を運営する「eSP(エスピー)」(本社・渋谷区)は、2019年5月の練馬校開校以来、東京23区を中心に30教室を開設する。eスポーツの認知度向上に伴い、児童や保護者の関心を呼び、約800人が通っている。
 1クラスの人数は10人。「授業」は週1回、1時間で、街づくりや冒険を楽しめる「マインクラフト」や戦闘ゲーム「フォートナイト」などをプレーする。それぞれのパソコンから同じゲーム世界を共有し、一緒に建物を建築したり、戦ったり。「夏祭り会場を作ろう」などの課題が出ることもあり、クラスの仲間と解決策を模索して、意見を出し合い協力する。

eスポーツ教室で学ぶ子どもたち(eSP提供)

 同社のグループ会社は15年ほど、国内外でスポーツ教室を運営している。そのため、eスポーツ教室のインストラクターもスポーツ指導の経験者ばかりだ。
 マネジャーの安藤靖人さん(31)は「野球やサッカーがeスポーツに代わっただけで、ゲームも教育。目標を自ら設定し、取り組む計画力や、自分の意見を発表する表現力、仲間と協力するチームワークなどを学べます」と説明。「ゲームが身近な時代の今こそ、節度ある付き合い方を知ってもらいたい。子どもたちの『楽しい!』『やりたい!』を通じて、成長を支えられれば」と話す。
 文・梅野光春、中村真暁/写真・嶋邦夫
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

関連キーワード

PR情報

TOKYO発の新着

記事一覧