<ヒューマンいばらき>ツクバブルー世界に つくばで藍染めに挑む・渋谷怜(しぶや・れい)さん(38)

2021年5月16日 07時18分

仲間たちとタデアイの苗を植える渋谷怜さん=つくば市で

 藍は人類最古の植物染料とも言われ、藍染めの起源は紀元前にさかのぼる。日本では奈良時代、藍染めの技法が中国から朝鮮半島経由で伝来し、江戸時代に隆盛を誇った。
 大型連休前、つくば市発の藍染めプロジェクト「ツクバブルー」を市内の畑でスタートした。仲間の農家や自営業者と一緒に、藍染めの原料「タデアイ」の苗を植え付けた。「この葉から、きれいな青い色が生まれるんです」。風に揺れる苗を満足そうに眺める。
 岐阜県多治見市生まれ。大学卒業後、各地の「日本百名山」を登ったり、米国でロングトレイルに挑戦したりした。その後、キャンプ用品大手「スノーピーク」(新潟県三条市)に就職。同社がつくば市に進出すると、都内から店長として派遣された。
 しかし、「もっと興味が持てることに挑戦したい」と二〇二〇年六月に退職。自宅で子どもの服を自作した際に「藍染めにしたらおもしろいのでは」と思い付いた。筑波山麓に「藍染風布(あいぞめふうぷ)」を構える作家の丹羽花菜子さん(36)と知り合い、その工房に通いながら藍染め文化に浸っていった。
 そして仲間と七人で、藍の文化を復活させるチーム「ペリヘリオン」を結成した。キャンプのタープやTシャツ、下着の藍染めの製品化を考えている。「ツクバブルー」プロジェクトもその一環だ。
 伝統的な手法ではタデアイの葉を発酵させて染料「すくも」を作るが、葉で直接染める手軽な「生葉(なまば)染め」が楽しめる。
 つくばエクスプレス(TX)つくば駅前のペデストリアンデッキで六月下旬、プランターに植えたタデアイの葉を摘み取り、その場で生葉染めを体験するイベントを予定している。藍色の軽トラでプランターを運び入れる演出プランも練っている。
 実業家渋沢栄一の生涯を描くNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」では、藍玉(すくもを乾かし固めたもの)の製造販売などを営む実家が登場し、あらためて藍染めが注目された。「綿と麻に最も染まる藍は、江戸庶民のファッションだった。かつて村に一軒はあった藍染めの紺屋を復活させたい」と意気込む。
 チームは持続可能と循環を理念に掲げる。世界の水質汚染の20%は合成染料などファッション業界が原因とされている中、天然染料が見直されている。「百年後に残る青をつくばで育て、ニューヨーク、パリ、上海へと広げていければ」と夢を描く。 (林容史)
     ◇
 つくば駅前のイベントの問い合わせは渋谷さん=電090(9621)1424=へ。このほか、タデアイの収穫や染めが体験できるイベントが六月六日、七月四日、つくば市の農産物直売所「みずほの村市場」で開かれる。詳細は直売所のホームページで。

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