<新型コロナ>映画再開「幸せ実感」 常連客や俳優ら支援の輪 那珂のミニシアター

2020年5月25日 02時00分

席の間隔を空けて座る客=いずれも那珂市で

 県が新型コロナウイルス対策として要請していた営業自粛などの一部が緩和されたことを受け、那珂市のミニシアター「あまや座」が、営業を再開した。一カ月以上休館し、困難な状況だったが、常連客やゆかりの俳優らの支援の輪が広がり、背中を押してくれた。二十四日は、再開を待ちわびた常連客らが訪れ、目当ての作品に見入った。(松村真一郎)
 あまや座は二〇一七年十月に、地域活性のために、水戸市内の映像制作会社に勤務する大内靖さん(39)が設立した。一カ月に八~十本程度の作品を上映していたが、感染拡大を受けて、四月十一日から休館。二十三日に再開した。
 二十四日は、「37セカンズ」など四作品を上映。よく訪れるという那珂市の嘱託職員、笹島紀子さん(54)は「ゆっくりと映画を見られるのが幸せだと改めて実感した」と笑顔を見せた。
 新型コロナの影響で、映画館だけではなく、配給会社なども含め映画文化の衰退が指摘される中、大内さんは休館中も再開を信じ、館内の清掃作業など準備を進めてきた。
 支えになったのが、映画ファンや顔見知りの俳優らだった。
 舞台あいさつであまや座を何度か訪れている茨城町出身の俳優根矢涼香さんは、自身がデザインしたオリジナルTシャツをインターネットで販売し、売り上げの一部をあまや座に寄付する企画をしており、大内さんは「驚きとうれしさのあまり泣いてしまった」と振り返った。
 別の俳優は、再開を祝う手書きメッセージとマスクを贈ってきてくれたり、常連客はカンパを届けてくれたりした。

上映の合間に席を消毒する大内靖さん

 全国のミニシアターは、小規模で経営が以前から厳しいところも多いことから、映画監督が発起人となり、四月に支援基金を募るクラウドファンディングが始まった。今月十五日まで一カ月間募集した結果、当初の目標金額一億円を大きく上回る三億三千万円以上が集まり、あまや座にも約三百万円が配当される。
 大内さんによると、数カ月分の運営資金になる。「コロナは悪いものではあるが、同時に多くのことを気付かせてくれた」とも語った。
 再開はしたものの、席の間隔を空けるために、三十一席から十三席に減らしたり、上映と上映の間を通常の十分程度から三十分に広げ、換気や席の消毒をしたりと、感染予防対策を入念にしている。
 大内さんは「映画館が休館すると、映画の配給会社の利益がなくなってしまう。少しでも多くの人に来てもらい、日頃お世話になっている配給会社などに恩返しができるといい」と前を向いた。
 席数を減らしているため、鑑賞は事前予約が必要。問い合わせは、あまや座=電029(212)7531=へ。

営業を再開したミニシアター「あまや座」

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