イスラエルが難民キャンプ空爆、子ども含む10人死亡 報道機関のビルも中継中に倒壊

2021年5月16日 20時34分
イスラエル軍の空爆を受けがれきとなったビル。AP通信も入居していた=16日、パレスチナ自治区ガザ(AP)

イスラエル軍の空爆を受けがれきとなったビル。AP通信も入居していた=16日、パレスチナ自治区ガザ(AP)

 【カイロ=蜘手美鶴】イスラエルとパレスチナ自治区ガザの間で続く報復攻撃の応酬で、イスラエル軍は15日、ガザ内の難民キャンプを空爆し、子ども8人を含む少なくとも10人が死亡した。パレスチナは同日、イスラエル建国でパレスチナ人が難民化した「ナクバ(大惨事)」の日を迎え、中東各国などで空爆への抗議デモが相次いだ。AFP通信などが伝えた。

◆空爆1000回、子ども52人含む181人死亡

 空爆されたのは、ガザに8カ所ある難民キャンプの1つ。複数の建物が破壊されて2家族が犠牲となった。AP通信や衛星放送アルジャジーラなど報道機関が入るビルも標的となり、各メディアが中継する最中にビルは空爆で崩れ去った。APのプルイット最高経営責任者(CEO)は「ショックを受け、恐怖を感じた」と述べた。
 イスラエル軍はいずれも、ガザ拠点のイスラム主義組織ハマスに関連する施設があったとしている。軍は10日以降に1000回以上空爆し、子ども52人を含む181人が死亡した。
 ハマスも15日、イスラエルへのロケット弾攻撃を続け、商都テルアビブでは1人が死亡。死者は10人となった。これまでに各地に2300発以上を発射し、空港や石油施設、研究用原子炉なども狙っている。

◆バイデン大統領が双方と電話協議

 被害が拡大する中、米国のバイデン大統領は15日、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治区のアッバス議長の双方と電話協議し、事態の沈静化を求めた。米ホワイトハウスによると、ネタニヤフ氏には「自衛の権利がある」と理解を示したが、暴力とジャーナリストの安全に「重大な懸念」を表明。アッバス氏へは「ハマスに攻撃を止めさせる必要がある」と強調したという。
 15日のナクバに合わせ、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸では、空爆に抗議する若者の一部が治安部隊と衝突した。イラクやレバノンなど中東各国のほか、パリやロンドンなどでも抗議デモがあった。
 イスラエル占領下の東エルサレムでは、今月上旬からパレスチナ人とイスラエル側の衝突が続き、10日にイスラム教の聖地アルアクサ・モスクに警官隊が催涙弾を撃ち込んだことで、ハマスが攻撃を開始した。

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