東京都の休業要請、事業者の対応は…休業?営業? あいまいな線引き、説明なさに不満も

2021年5月16日 22時31分
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が出した3度目の緊急事態宣言。5月末まで延長された東京都内では、昨年4~5月の1度目の宣言と比べ、都の休業要請に応じない事業者が増えている。背景には厳しい経営状況に加え、遊園地や劇場など一部の業種のみで営業再開が認められる根拠があいまいな線引きもある。(岡本太、小倉貞俊)

◆レンタル店は営業再開

 休業要請対象のスポーツクラブ。全国展開するフィットネスクラブ「ゴールドジム」は12日から、都内8店舗でプールやスタジオを除き営業を再開した。担当者は「健康的な生活習慣維持のためあらゆる世代に必要不可欠」と説明した。
 DVDやCDのレンタル店では、大手チェーンの「TSUTAYA」や「ゲオ」の多くの店舗が営業を再開している。
 TSUTAYAの担当者は「感染予防を徹底している。不安が蔓延するときだからこそ、映画・音楽などのコンテンツが勇気や元気を与える」とした。あるレンタル店の関係者は「休業によってどれだけ人の流れが減るのか、データに基づく説明もない。テーマパークは営業再開が認められたのに」と不満を漏らした。

◆百貨店、売り場を拡大

 「生活必需品」以外の休業要請を受けている百貨店は、食品や化粧品以外にも、服飾雑貨や靴を必需品として売り場を拡大した。
 昨年の宣言時、一部の店舗が休業要請に応じず注目されたパチンコ店は今回、延長前からほとんどの店が営業している。業界関係者は「昨年は億単位の赤字を出した事業者も。生きるか死ぬかの状況だ」と話す。
 スポーツ用品店や住宅展示場、おもちゃ店などでも、営業を継続していたり、営業再開したりする例が後を絶たない。

◆映画館や美術館は休業

 一方、映画館や美術館・博物館は不満を抱えながら休業要請に応じている。映画館でつくる全国興行生活衛生同業組合連合会は11日、都が劇場や演芸場に認めた宣言延長後の営業再開について「合理的かつ公平なご説明をいただきたい」とする声明を発表。国立の博物館や美術館には一時、都の休業要請に応じず再開を模索する動きもあった。

会見で休業要請への理解を求める小池百合子都知事=14日、都庁で

 都の担当者は「分かりづらい線引きになり、反省はある。ただ今は対策を緩める段階ではない」と理解を求める。小池百合子知事は14日の定例会見で「大義は人の流れをどう抑制するかだ。そのためにご協力を賜りたい」と訴えた。

◆東京都、大型商業施設の休業要請は継続

 東京での3度目の緊急事態宣言は当初、4月25日~5月11日だった。都は政府方針に沿って、面積1000平方メートル超の映画館や商業施設、パチンコ店、博物館などに休業を要請。劇場や遊園地などは「無観客開催」の要請としていた。
 宣言延長後、政府は大型商業施設の午後8時までの営業を認めるなど内容を緩和し、遊園地などは客数の上限を設けて開催を認めた。知事の判断で休業要請を続けることも可能とした。
 これを受け、都は12日以降、遊園地や劇場などで客数制限付きの時短営業再開を認めたが、大型商業施設などの業種には休業要請を継続している。

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