足立区議の差別的発言が契機に…同性カップルらを公的に認める「パートナーシップ制度」導入12市区の連携実現

2021年5月19日 12時29分

ネットワーク事務局の渋谷区が作った啓発グッズ(同区提供)

 同性カップルなどを公的に認める「パートナーシップ制度」を導入する東京都内の12市区が19日、情報交換や利便性向上に取り組むネットワークを結成した。全国で100を超す自治体に同様の制度があるが、導入自治体によるこうした大規模連携は初めて。
 結成された「東京都パートナーシップ制度導入自治体ネットワーク」には、2015年に初めて制度を導入した渋谷、世田谷両区のほか、中野、江戸川、豊島、港、文京、足立の計8区、府中、小金井、国分寺、国立の4市の全12市区と、制度を検討中の数自治体が参加した。
 事務局の渋谷区によると、パートナーシップ制度は4月1日現在、全国103自治体が導入。条例や要綱に基づき、同性カップルらの関係性を認め、自治体によっては公営住宅に入居できたり、民間企業の家族割の対象になったりする。

中野区が発行しているパートナーシップ宣誓書受領証のイメージ(同区提供)

 ネットワークは昨秋、区議会での同性愛者への差別的発言が問題になった足立区が、制度導入に向け渋谷区や世田谷区に問い合わせたことがきっかけ。この3区が他の市区に呼び掛けて実現した。
 渋谷区の永田龍太郎・男女平等・ダイバーシティ推進担当課長は「パートナーシップ制度は、新しい課題のため国の主管官庁がなく、自治体担当者は孤立しがち。庁内に相談できる人がいなかったり、施策の進め方や当事者との連携の取り方に悩んだりしている人も多い」と話す。
 今後は、定期的な情報共有や交流のほか、民間企業に商品やサービス、福利厚生で対応するよう求めたり、都営住宅の入居や都立病院で家族として扱ってもらえるよう都に訴えたりするなど、制度の利便性の向上にも動く。
 4月に制度を始めた足立区の担当者は「横のつながりをつくり、周知啓発を進められたら」。永田さんは「性的少数者の日常生活での困り事がなくなるよう、制度に実効性を持たせるため束になって声をあげていきたい」と話した。 (奥野斐)

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧