都市農地と福祉連携 障害者らの生きがい育む 杉並区が開園

2021年5月18日 07時21分

ボランティアの指導を受けながら、野菜を収穫する障害者施設の利用者の男性(左)

 農業と福祉の連携で高齢者や障害者の生きがいの創出、就労支援などにつなげる「農福連携農園」が杉並区井草三にオープンした。農産物を生産するだけではなく、地域交流や環境保全など農地の持つ多面的な機能を福祉の分野で活用する手法は近年注目されており、区担当者は「貴重な都市農地を守りながら、さまざまな事業を展開していきたい」としている。 (西川正志)
 農園の愛称は「すぎのこ農園」で、二十三区で初の区立の専用農園だ。広さは約三千二百平方メートルで、区民農園だった農地を区が購入した。区から委託を受けたJA東京中央が運営する。
 園内にある多目的農園区画では、JA職員と六十五歳以上のボランティアが野菜作りに取り組み、収穫物は福祉施設などに提供するほか、区民向けの収穫体験も開く。区内の障害者施設などに貸し出して、利用者が農業を体験する団体農園区画もある。
 今年三月に完成した木造平屋建ての管理棟(延べ床面積百六十一平方メートル)は、区内で最古とされる江戸時代中期(十八世紀半ばごろ)の農家の住宅部材を活用した。内部には調理スペースを設け、今後は収穫した農産物で子ども食堂を開いたり、加工品開発に取り組んだりするという。
 区は二〇一九年から農園の整備を目指して、試験的な野菜作りをスタート。枝豆やトマトなどを作り、すでに区内の障害者施設に提供しているほか、区内の四つの障害者団体に区画を貸し出している。
 管理棟完成に合わせて四月二十八日に開かれた開園式で、田中良区長は「貴重な都市農地で高品質な野菜を生産するとともに、新たな機能や魅力を発信していきたい」とあいさつした。

管理棟の完成に合わせて全面オープンした農福連携農園「すぎのこ農園」=いずれも杉並区で(区提供)


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