速く、ゆっくり…「インターバル速歩」 継続で高い運動効果

2021年5月18日 07時49分
 コロナ禍で外出の機会が減り、運動不足を感じている人も多いのでは。特別な器具を使わず、手軽にできるウオーキングを生活に取り入れてはどうだろう。早歩き(速歩)とゆっくり歩きを交互に繰り返す「インターバル速歩」は、高い運動効果があることが分かっている。専門家に詳しく教えてもらった。 (河野紀子)
 ややきついと感じる速歩と、ゆっくり歩きを交互に繰り返すインターバル速歩。筋肉をつくる筋繊維には、筋肉トレーニングなど負荷がかかるときに使う速筋線維と、歩くなど日常の動作で使う遅筋線維の二つがあり、両方を効率よく鍛えられるのが特徴だ。

■交互に3分

 三分速歩をしたら、三分ゆっくり歩きをするのがお勧め。速歩を三分してもペースが落ちず息が上がらないなら、強度が足りない。速歩とゆっくり歩きの計六分を一セットとし、速歩の合計が一日十五分になるようにしたい。一セット六分を時間を置いて五回やってもいいし、五セット三十分をまとめてやってもOK。週四日は実践したいが、難しければ時間のある日に二十セット百二十分をやるのも手だ。
 インターバル速歩に詳しい松本大大学院健康科学研究科(長野県松本市)教授で、健康運動指導士の根本賢一さん(52)は「年齢に関係なく、手軽にできるのが良さ」と説明。ただ、一般的なウオーキングより運動の強度は高い。けがをしないよう準備運動が大事だ。肩と膝を十回ずつ回し、アキレス腱(けん)を伸ばすストレッチを左右五回ずつやるのが目安。ヒールや革靴、靴底の薄いフラットシューズは足への衝撃が強いため運動靴で歩くことが必要だ。

■姿勢が大切

 背筋を伸ばし、腕を振って大股で歩き、着地はかかとからが基本。視線を遠くに置き、無駄な力が入らないよう、手は握らず開く。「早く歩こうとすると気付かないうちに前かがみになりやすいので注意」と根本さん。猫背だと上半身の重みが腰や膝にのしかかり、痛みの原因になる。腕を後ろに引くように意識すると、自然と背筋が伸びて正しい姿勢を保ちやすい。
 通勤途中に一駅手前で降りたり、休日に自宅周りや公園を歩いたりと、できる範囲で実行するよう、根本さんは呼び掛ける。「大切なのは体力を考え、無理をしないこと」。運動を普段しない人は、正しい姿勢で歩くところから始めるといい。

◆最大酸素摂取量 平均10%アップ

 インターバル速歩の運動効果を実証したのが、約8700人を指導してきたNPO法人熟年体育大学リサーチセンター(長野県松本市)。2005年、中高年246人を▽インターバル速歩(速歩を1日15分以上、週4日以上)▽1日1万歩▽運動しない−の3グループに分け、5カ月間観察した。
 インターバル速歩のグループでは、全身の持久力の指標となる最大酸素摂取量が平均で10%向上。太ももの筋力も平均15%高まった。1日1万歩のグループでは大きな変化がなかった。インターバル速歩と比べ、運動の強度が低いためと考えられる。
 同センター副理事長で、信州大大学院医学系研究科特任教授の能勢博さん(68)によると、持久力と筋力は20代がピーク。30歳を過ぎると、10歳年を取るごとに5〜10%落ちていく。
 同センターは18年、スマートフォンのiPhone(アイフォーン)用アプリ「インターバル速歩」を企業と共同で開発。4月には有料版を設け、運動履歴を基に遠隔で指導も受けられるようにした。

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