GDP、20年度4.6%減 リーマン超え戦後最悪 1~3月は年率5.1%減

2021年5月18日 11時54分
内閣府の外観

内閣府の外観

 内閣府が18日発表した2021年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1・3%減、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で5・1%減だった。マイナス成長は昨年4~6月期以来、3・4半期ぶり。同時に発表した20年度の実質GDPは前年度比4・6%減で、リーマン・ショック時の08年度(3・6%減)を超え、戦後最悪の落ち込みとなった。

◆個人消費の冷え込みが全体押し下げ

 1~3月期は、新型コロナウイルスの感染の再拡大で2度目の緊急事態宣言が発令され、外食などのサービスを中心に個人消費が冷え込んで全体を押し下げた。個人消費は前期比1・4%減で、3・4半期ぶりの減少となった。不要不急の外出自粛要請や飲食店の時短営業などの影響で、たばこや酒類が伸びたものの、自動車、衣料品、外食が大きく落ち込んだ。
 一方、輸出は2・3%増で3・四半期連続の増加となった。世界的な半導体不足で自動車が伸び悩み前期に比べ失速したが、電子機器が伸びて増加傾向は維持した。輸入は4・0%増。設備投資は1・4%減で、2・4半期ぶりに減少した。
 景気実感に近いとされる名目GDPは前期比1・6%減、年率換算で6・3%減。名目でも3・4半期ぶりのマイナスとなった。(原田晋也)

【解説】次期もマイナス成長の懸念

 2021年1~3月期のGDPがマイナス成長となったのは、個人消費の落ち込みが主な要因だ。新型コロナの感染「第4波」で4~6月期も伸び悩みは続き、2期連続でマイナス成長に陥るとの指摘も出始めた。

◆外出自粛でサービス消費厳しく

 個人消費の中でも厳しいのは、GDPの3割程度を占める外食や旅行などのサービス消費。インターネット通販などに切り替えられるモノの消費などとは対照的に、外出自粛の影響をまともに受け、感染拡大が抑え込めなければ好転は難しい。1~3月期は2回目の緊急事態宣言や、政府の需要喚起策「Go To事業」の停止が響いた。
 4~6月期は、4月下旬に出された3回目の宣言が重しになる。宣言から3週間たった現在も、感染者数のはっきりとした減少傾向は見られない。このまま歯止めがかからなければ、経済損失が膨らむのは避けられない。

◆ワクチン接種遅れで回復は不安定に

 新型コロナによる経済損失を巡っては、昨年4~6月期に戦後最悪のマイナス成長を記録したものの、その後の2・4半期でその落ち込みの9割以上を取り戻す急回復を見せていた。だが、今回のマイナス成長で回復割合は7割強に後退した。コロナ対策の切り札とされるワクチンの接種は遅れており、今後の回復も行きつ戻りつの不安定な道のりを余儀なくされそうだ。(森本智之)

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