東京五輪ボランティアのユニホーム受け取り「遠方でも現地来て」コロナ禍で移動自粛なのに…と疑問の声 

2021年5月20日 14時50分
発表された東京五輪・パラリンピックのボランティアらスタッフ用のユニホーム=2019年、東京都中央区で

発表された東京五輪・パラリンピックのボランティアらスタッフ用のユニホーム=2019年、東京都中央区で

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が、全国の大会ボランティアに対し、ユニホームや身分証明書を関東や東北、北海道などに取りに来るよう要請している。新型コロナウイルスの感染拡大で、都道府県をまたぐ移動の自粛が求められている中、ボランティアから疑問の声が上がる。 (吉光慶太、横井武昭、梅野光春)
 配布は12日、東京から始まり、組織委は大会で競技が実施される北海道、宮城、福島、茨城、静岡の各都道県の大学や公共施設などに受け取り会場を設けた。五輪ボランティアの場合、東京は6月末まで受け付けるが、その他は5~7月の数日間のみが指定され、茨城、静岡県は5月中に取りに行く必要がある。
 事前予約して直接取りに行く仕組みで、交通費は本人負担。組織委は「身分証明書は厳密な本人確認の上で発行するので、現地での受け取りをお願いしている。都外から東京へ来る場合は、緊急事態宣言の解除後にしてほしい」とする。
 遠方に住むボランティア希望者は、戸惑いを隠さない。兵庫県西宮市の大久保健一さん(44)は「東京へ行く機会があれば受け取りたいが、コロナ禍で予定が立たない。大会直前に書留で送るとか、活動前日に手渡すなどの対策は取れるのではないか」と話す。
 緊急事態宣言が今月末まで延長され、スケジュール調整できる幅は狭まった。大久保さんは「受け取らないと辞退と見なされるようで、最悪の場合、活動ができなくても仕方ない。大会中止や無観客開催ならボランティアがどうなるかの説明もないし」と不信感を募らせる。
 福岡県から夫と参加する60代女性は「コロナのこの事態なのに、と驚いて何度も組織委からのメールを見直した。ショックだった」と振り返る。女性は組織委に「郵送や代理の受け取りが可能か」と問い合わせたが断られたという。「こういう対応をされると、開催地以外のボランティアは辞退してと言われているような気までして悲しい」
 組織委は大会ボランティアを8万人確保。今年2月の森喜朗前会長による女性蔑視発言の後、同月下旬までに約1000人が辞退したと発表している。組織委の担当者は「コロナの感染状況なども踏まえ、遠方から参加される方に不安がないよう必要な対応を検討していく」としている。

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