東海道新幹線の運転士、150kmで走行中トイレへ…3分間運転席離れる、JR東海が処分検討

2021年5月20日 19時12分
東海道新幹線

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 JR東海は20日、東海道新幹線の男性運転士(36)が16日に静岡県の熱海駅ー三島駅間を走行中、トイレに行くため約3分間、運転室を離れたと明らかにした。乗客は約160人で、その間、運転資格のない車掌しか運転室にいない状態で、時速約150キロで走行したという。
 同社によると、運転士のいない状態で東海道新幹線が走行したことは国土交通省令に違反するため、同省に事案を報告した。
 運転士が乗務したのは東京発の新大阪行きひかり633号。運転士は神奈川県の小田原駅到着の前に腹痛を感じたため、車内にいた男性車掌長(36)が運転免許を持っていると思い「小田原駅を出発後に運転席に来てほしい」と連絡。車掌長が運転席に到着して、免許を持っていないことが分かったが、トイレが我慢できず「運転席に座っていてくれ」と言い残し、席を離れた。
 この際、運転士はアクセルをオフの状態にして席を離れたため、離席時には時速150キロだった速度が、戻った時には時速130キロに落ちていて、三島駅の通過が1分遅れた。この間、車掌長は機器に触らず、運転席に座っていたという。
 同社によると、社内ルールでは、運転士の体調不良の時には運転を管理する「指令」に報告して指示を仰ぐことになっている。通常新幹線には車掌2人が乗っていて、指令はまず同乗の乗務員の中から交代者を探す。すぐに交代者が見つからない場合は、運転士は新幹線を停止させてからトイレに行く決まりになっている。
 今回の場合はもう1人の車掌も運転免許を持っていなかったといい、トイレに行く場合は新幹線を停止する必要があったという。
 運転士は「ルールは知っていたが、トイレを我慢できなかった」と正規の手続きを踏まなかった理由を話している。車掌長もルールは把握しており「反省している」と語っているという。
 同社は、運転士と車掌の2人について「極めて不適切で厳正に対処する」として処分を検討するとともに、再発防止に向けて、体調不良の際の具体的な対応を定めたフローを作成し、全乗務員への面談などを行い、ルールの徹底を図る。

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