<あぶくま便り>(11)棚田の保全 多様な生き物守る

2021年5月22日 08時34分

棚田の田植え=福島県二本松市で

 十六日から棚田の田植えがはじまりました。新緑のまぶしさ、鳥やカエルの鳴き声と里山が活気にあふれます。一枚の田んぼの面積が平均で二百坪(約六アール)ですから平たん部の半分以下です。土手が広く、年に四回もの草刈りは労力がかかります。けれども手ごろな面積だからこそ、ご夫婦や学生や企業の皆さんが「マイ田んぼ」として毎年田植えにやってきます。生活雑排水の入らない、きれいな里山の沢水が自慢です。
 私の住む布沢(ぬのさわ)集落(二十戸)では毎年コシヒカリの玄米を酒屋さんに委託して「布沢純米酒」を醸造しています。高齢者も女性も会社員も共に支え合うしくみが農村にはあります。集落の田んぼを五年前にビオトープとして整備し、小学生が生き物やホタルの観察会にやってきます。
 棚田はドジョウやタニシ、ゲンゴロウ、赤トンボの宝庫です。この豊かな棚田の多様な生き物を守り、子どもたちや都市との交流を発展させて景観を良くしていこうとの思いで、「東和の布沢棚田」を指定棚田地域とするよう国に申請し、このほど認められました。国民的財産である棚田の保全と、棚田地域の多面的機能の維持を目的に二年前にできた棚田地域振興法に基づいています。
 標高二五〇〜四〇〇メートルの沢沿いの「布沢棚田」の景観と農地の保全のために、都市住民の支援が必要です。棚田オーナーになったり、市民農園として大豆や小麦、ブルーベリーなどを栽培したりして一緒に食べ物の自給をしてみませんか。(菅野正寿 農家。福島県二本松市東和地区で農産加工と農家民宿を主宰)

<旬の香り>玉菜炒いり

 昔からキャベツを玉菜(たまな)と呼んでいました。昨年9月に種をまいた玉菜は冬を越して5月が収穫期です。
 玉菜を適当に切り、鍋に油を入れて炒め、砂糖、しょうゆで甘しょっぱく味付け。ふたをして蒸し焼きにすると芯までやわらかくなり出来上がり=写真。
 大家族だったので大鍋で大量に作っていた祖母の姿を思い出します。昔は玉菜を生で食べることはなかったそうです。

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