<新型コロナ>JAとりで総合医療センター 外来や救急を2週間停止 新たに感染者1人確認

2020年3月29日 02時00分

院内感染が起きている可能性があるJAとりで総合医療センター=取手市で

 新型コロナウイルスの感染者が入院患者に相次いで見つかったとして、JAとりで総合医療センター(取手市)の新谷周三院長が二十八日、県庁で会見し「院内感染の可能性が大きい」と述べ、通常の外来と検査、救急外来の業務を二週間程度停止したことを明らかにした。県が二十七日夜、新たに一人の感染を発表し、この感染者が、すでに判明していた感染者とセンターで同室だった。 (鈴木学)
 県や病院によると、新たに判明した感染者は龍ケ崎市の七十代の無職男性で、酸素吸入が必要な状態という。県内十三例目。男性は昨年十二月からセンターに入院中で、十二例目のつくばみらい市の七十代無職男性が入院した二十二日に発熱、二十六日からは呼吸苦の症状もあった。
 院内感染を確認するため、二人と同室の七十六歳と八十五歳の男性のほか、医師や看護師、受付の職員など約六十人の検査をする。全ての結果が出るのに数日かかるとした。
 新谷院長は、同じ病棟に勤務する看護師二人にも発熱の症状があることを報告。検査結果は出ていないが、院内感染の可能性が高いとして「県南の救急の中心病院だが、外来などを二週間前後停止することを決定した」と説明した。
 感染者二人に直近の渡航歴はない。県も、十三例目の感染者が長期入院中のため院内感染の可能性が高いとみている。十二例目の感染経路は「調査が十分できていない」とした。
 病院によると、十二例目の患者について発熱での来院時に肺のコンピューター断層撮影(CT)をした。感染を疑う所見はなく、軽い肺炎の所見で入院となったが、改善がみられず、改めてCT検査して感染疑いが認められた。新谷院長は「一般的にみられる肺炎にコロナが合併しているケースは、すり抜けてしまうことがあり得る」と語った。
 センターでは、二人の他に感染者二人が入院中。クルーズ船の感染者の治療にも当たってきた。受け入れた感染者からの感染は、病棟を分けているため「可能性はゼロに近い」という。
 今回のケースは「インフルエンザと違い、すぐに結果が出る検査方法がないことにつきる」と冨満弘之副院長。肺炎患者全員にウイルス検査することは人数が膨大になり現実的でないといい、「残念ながらこういうことは起こりうる」と悔しさをにじませた。県は病院の対応に「瑕疵(かし)はなかった」としている。

◆周辺の医療機関に再開まで協力要請 院長「十分担保できる」

 センターは地域の救急医療の拠点で、外来や救急の停止の影響は大きい。外来は一日で約千二百五十人、救急患者は年三万人を受け入れていたという。
 再開までは周辺の医療機関に協力を要請していて、新谷周三院長は「十分担保できる」という。ただ、再開の時期は、センター関係者が感染していないかを調べる検査の結果によるとして「もっと広がると、延長を考えざるを得なくなるかもしれない」としている。
 県保健福祉部の木庭愛部長は「早期の再開を県としても支援していきたい」と話した。
 センターの近くに住む女性(77)は、糖尿病を患う夫がセンターに通院しており、来月も予約が入っている。「受診できなければ、薬ももらえないので困る」と不安げに話した。 (鈴木学、松村真一郎)

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