[彼女とサル] 名古屋市天白区 蒔田優海(まきた・ゆうみ)(12)

2021年5月23日 07時38分

◆わたしの絵本

イラスト・まここっと

◆300文字小説 川又千秋監修

[心のポイントカード] 新潟県新発田市・主婦・42歳 阿部美智子 

 晴れた昼下がり。外を眺めて、ため息をついた。
 こんなに天気がいいのに、また一日、棒に振った。家事も中途半端で、減点1ポイント。
 ヨッコラショと重い腰を上げる。
 痩せなければ…また減点1。
 夕飯どき、カレーのルーが切れていた。
 これから買うのも面倒だなぁ…これも減点1。
 心のポイントカードの点数は、もうマイナス値を示している。
 あ〜やめた。
 減点法をやめて、これからは加点法でいこう。
 翌朝、目覚めたら、天気が好(よ)かった。加点1ポイント。
 これから、どんどん、ポイント貯めよう!

<評> 失点を数えてがっかりするより、得点目指して頑張れば、毎日の張り合いが違います。ポイントの集計法をネガティブからポジティブに切り替えて、さあ! 新しい日々に向けて駆け出しましょう!

[世紀を超えて読まれた本] 神奈川県横須賀市・自営業・61歳 末木紳也 

 先日、図書館で本を借りようとしたら、担当者から
 「本は書庫にあるようなので、少々お待ちください」と言われた。
 しばらくたって、カウンターに本が届いた。それを受け取り、館内で読み始めた。
 本を読み進めると、中ほどに栞(しおり)のようなものが挟んである。
 それは本の貸出期限の案内だった。
 [99・7・3までに返却願います]
 なんと!
 この本は、二十年以上も書庫で眠っていた。
 二十世紀に借りられて以来、一度も読まれていなかったのだ。
 私は心の中で、
 「やっと日の目が見られてよかったね」
 と、本に語りかけた。

<評> どんな名著も、それを必要としている読者に出会わなければ、いかなる価値も生み出すことはできません。あなたが手に取る日を待っている一冊が、書庫の奥深くで眠っているかもしれませんよ。


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