東京都のコロナ対策、評価二分…根強い不安、選挙の焦点に 都民意識調査

2021年5月25日 06時00分
 東京新聞などが実施した都民意識調査で、東京五輪・パラリンピックについて、回答者全体の60・2%が「中止」を選択した。開催準備が進む中、告示まであと1カ月の東京都議会選挙(7月4日投開票)では、都民の根強い不安にどう向き合うのかが焦点の一つになりそうだ。(原昌志)

◆慎重姿勢

 今回の調査で表れたのは、都民の五輪への慎重姿勢だ。都議選の投票行動と合わせて分析すると、「投票に行く」とした人は「必ず」と「たぶん」の合計で85・1%で、6割程度は「中止」と答えた。
 小池知事への評価と大会への意見を照らしてみると、知事を「大いに評価する」コアな支持層では「中止」が36・0%。ただ「ある程度評価」では「中止」が6割弱に上っており、知事を評価する層でも大会に慎重意見がみられた。
 投票先意向ごとの五輪・パラ大会への考えは、小池百合子知事が特別顧問を務め、基本的に開催準備を進める立場の地域政党、都民ファーストの会と自民党に投票すると答えた人は「中止」の割合が4~3割と低かった。
 しかし、投票先を「わからない」とした層も61・3%が「中止」と回答していることから、今後も感染状況が収束しないまま開催が決まれば、中止を訴える共産党や立憲民主党などが都議選で受け皿になり、各勢力の戦略に影響を与える可能性がある。

◆休業要請

 都のコロナ対策では評価が分かれた。飲食店への営業時間の短縮要請、大規模商業施設への休業要請などへの評価は賛否がほぼ二分された。
 「評価する」は「大いに」と「ある程度」を合わせて46・3%。「評価しない」は「まったく」と「あまり」の合計で49・7%。政府の新型コロナ対策への評価が低かったのに比べ、一定の理解を得られていた。

◆投票行動

 現時点での都議選の投票先を聞いたところ、都議会最大会派の都民ファは1割弱と立民、共産より低かった。自民は2割弱だった。投票先を「わからない」とした「投票先未定」層は最も多く3割だった。
 2017年の前回都議選で、JX通信社が実施したほぼ同時期の調査は、都民ファへの投票意向は3割強を占めていたが大きく低下、自民は横ばいだった。
 前回は知事が自民との対立構図を前面に打ち出し、争点化に成功。今回は知事と自民の関係が改善していることや、新型コロナ禍で都民ファの政治活動が低調なことも数字に表れた格好だ。
 調査結果に対し、都民ファの主要都議は「国政政党と異なり、注目される機会が少ない。選挙は投票先未定層がカギ。知事の支援があれば情勢は大きく変わる」と強気の姿勢。都議選への態度を明言していない知事に期待する。
 一方、自民は過去最低の23議席に落ち込んだ前回の雪辱を期すが、国政の動向で大敗した過去もある。都連幹部は「背水の陣で臨んでいる。地道に支持を訴えていく」と強調した。

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧