とれた予約「勝手に消えた」 防衛省のワクチン予約システムでまた欠陥…担当者「えっ、そんなことが…」

2021年5月25日 06時00分
 架空番号でも予約できる一方、正しい番号を入力してもエラー。防衛省が運営する新型コロナウイルスワクチン東京大規模接種センターは、インターネット予約システムに次々欠陥が見つかったが、さらに「勝手に予約が消える」ケースもあることが分かった。24日からは実際に接種が始まったが、現場で混乱は起きないか。(石井紀代美、大村歩)

スマートフォンに表示される「自衛隊東京ワクチン接種Web予約」ページの画面

◆防衛省「システムのことは分からない」

 「間違いなく、確かに予約したのに、なぜ?」。東京都世田谷区の男性(66)は20日、パソコンの画面を見て愕然とした。防衛省の予約システムで自分の予約履歴を確認できる「マイページ」内が、何も記載されていなかったからだ。
 男性は、予約受け付けが始まった17日当日に、区から送られてきた接種券番号、市区町村コード、生年月日を入力、認証されて、30日午前9時半からの枠で予約を済ませた。念のため、18日に再びマイページで予約を確認し、画面をスマートフォンのカメラで撮影した=写真(1)。

写真(1)

 だが、架空番号でも予約できる欠陥が報道され、不安になって20日にもう一度マイページを開くと、何も記載がなくなっていた=写真(2)。実際にキャンセルをした場合は、履歴がマイページに記載されるので、誰かが男性の番号でキャンセルしたことはあり得ない。もちろん男性自身もキャンセルしていない。つまりシステム内で予約が「蒸発」したわけだ。
 それ以前に、男性の妻(66)は正しい番号を入力しても認証されず、予約が取れていなかった。あまりにおかしいと思い、防衛省に電話すると「システムのことはこちらで分からない」「現時点で予約がないなら再予約してもらうしかない」と言うのみだったという。

写真(2)

◆別の男性も「消えた」

 別の世田谷区の男性(66)もまた「予約が消えた」という。こちらは17日にLINE(ライン)上の予約システムで25日午後3時からの予約を完了。スムーズに予約できたため、知人にも勧めようと18日にもう一度予約システムで空き枠がないか探した。その際、自分の予約がどうなっているか確認しようとマイページを開いたところ、何も記載がなくなっていた。
 男性は「予約したとき、確かにこの目で『あなたの予約は受け付けました』というのを見ている」と驚きながらも、27日午後4時の枠で再度予約。こちらは問題なくマイページで確認できた。ただ、二重予約が心配で、25日分の予約がどうなったか防衛省に電話すると「取れていないものと認識してください」と言われたという。

◆改修行うと表明したが…

 予約システムを担当している防衛省統合幕僚監部の家護谷昌徳参事官は「えっ、そんなことがあるんですか。まだ私の所に話が上がってきていない。詳細を把握し、しっかり対応させていただく」と話した。
 本紙が「正しい番号でも予約できない」と報じた21日、防衛省は「認証画面の後の確認画面で生年月日の誤りに気付いて、認証に戻るともう再入力できない仕組みだった」として、それに対応した改修を行うと表明した。だが、今回の予約が消えるケースも含め、全ての不具合がこの改修で改善するかは不明だ。
 明治大大学院の湯浅墾道教授(情報法)は、予約できているがマイページに表示されないのか、予約が本当に消えてしまったのか、いくつかケースが考えられるという。
 「自治体が管理する接種券番号との照合うんぬんの問題ではなく、システムそのものに原因があるだろう。使う前にこのようなバグをチェックするのが普通だが、不十分だったのでは。今回の一連の問題は、日本の情報システム開発力が全体的に弱くなっていることを表している」

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