米国、日本を最も厳しい「渡航中止」レベルに引き上げ 東京五輪へ逆風

2021年5月25日 22時05分
新型コロナウイルス(米疾病対策センター提供)

新型コロナウイルス(米疾病対策センター提供)

 【ワシントン=吉田通夫】米国務省は24日、日本での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、渡航警戒レベルを最も厳しい「渡航中止」(レベル4)に引き上げた。東京五輪の開催が7月に迫る中、日本は感染に歯止めをかけられていないという厳しい現実を突き付けられた。
 勧告に強制力はなく、米国オリンピック・パラリンピック委員会は「選手やスタッフに対する感染予防策を講じるほか、日本への渡航前と到着後、大会期間中にも検査を受けるので、米国選手団の安全な参加に自信を持っている」と選手団の派遣に問題はないとする声明を発表。しかし、米メディアは「選手や観客の渡航判断に影響する可能性がある」(AP通信)などと報じた。
 日本では4月ごろから新規感染者が再び増加し、米疾病対策センター(CDC)が定める感染状況のレベルも「28日間で人口10万人当たり100人以上の新規感染者」などの基準を超えたとして、24日に最悪の「レベル4」に変更された。CDCは「ワクチンの接種を終えていても変異株に感染し、広める可能性がある」と指摘している。
 国務省は、昨年3月に全世界にレベルを適用し渡航の中止を呼び掛け。同8月に各地域ごとに見直し、日本は「渡航を再検討」(レベル3)に引き下げた。日本が今年1月に感染の第3波に見舞われた際も据え置いたが、今回は約9カ月ぶりに引き上げた。変異株の拡散のほか、ワクチン接種の遅れなど感染防止策が後手に回っていることも背景にあるとみられる。
 国務省が定めるレベル4は、感染が爆発しているインドなど約150カ国・地域にのぼる。国務省とCDCは、日本に渡航しなければならない場合は規定回数のワクチン接種を終えたうえで、渡航後の手洗いなど感染防止策の徹底を求めている。日本から米国への渡航は、従来通り渡航前3日以内に陰性証明を得るなどすれば入国できる。

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