秘密基地作りを子どもたちが議会に請願!? 地方自治の政策実現を学ぶボードゲームを公務員らが開発

2021年5月26日 12時00分
 千葉県内の公務員が集まるNPO法人「6時の公共」(千葉市中央区)が、まちづくりを学ぶボードゲームを開発した。ゲームでは、さまざまな立場の人たちの知恵や能力を集めて実現したい要望を練り、議会に訴えるまでの流れを体験。メンバーは「政策実現は自分たちの力でできると感じてもらえれば」と願う。(鈴木みのり)

◆「兄ちゃん」や「ブロガー」…まちの人の能力を借りて

 ゲームの名前は「僕らの基地がほしいんだ」。社会から過度に管理されることに息苦しさを覚えた未来の子どもたちが、公園に自分たちの秘密を守るための「秘密基地」を作ろうと、議会に要望を訴える「請願」を成し遂げるまでを競う。
 「うーん、どこに置こう」「難しい」。4月下旬に行われたボードゲームの体験会。県内外から集まった約10人が、2組に分かれてボードを囲んだ。

ボードゲーム「僕らの基地がほしいんだ」の体験会に参加した人々=千葉市中央区で

 ゲームで使うのは、まちのさまざまな立場の人を描いた六角形の「人物カード」。それぞれの人物が持つ「声(情報拡散・収集力)」「ロジック(整理分析・発想力)」「調整力」の3つの能力が記されている。
 最初は「たまり場の兄ちゃん」など身近な人から、「弁護士」「ブロガー」など、各能力の数字が高い人のカードを盤上に並べて請願に必要なアイデアを獲得していく。決められた回数の中で、アイデアを3つ集め、議員にたどり着いて請願を達成したチームが勝ちとなる。
 千葉県職員で同法人代表理事の仁平貴子さん(40)は「互いの弱点を補い合うことや、異なる考えの人をつなぐ調整力の重要性を感じてほしい」と期待を込める。体験会に参加した埼玉県の地方公務員吉田直人さん(40)は「今回はゲームをこなすので精いっぱいだったけど、次はカードに込められた意味を掘り下げてできれば」と話した。

◆授業に活用の動きも

 「6時の公共」は、業務後の午後6時以降を中心に、立場を超えてまちづくりを考えようと2017年に千葉県職員らが設立。市民を集めて地方自治や財政の仕組みを学ぶ学習会などを開催してきた。19年5月に「地方自治について感覚的に知ってほしい」とボードゲームの制作を開始。学校教師やゲーム編集者らの助言を受け、昨年11月に完成させた。
 ゲームはおおむね中学生以上を対象。既に地域のまちづくりワークショップで導入され、学校の授業への活用に関心を持つ教師もいるという。仁平さんは「自治体に必要なことを、他人任せではなく、自分の頭で考えることが大事」と話す。

「6時の公共」が開発したボードゲーム「僕らの基地がほしいんだ」(「6時の公共」提供)

 ボードゲームは通常価格1万7500円(税込み)で販売している。「僕らの基地がほしいんだ」ウェブページで購入できる。

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