「横浜ハンマーヘッド」でワクチン大規模接種 予約電話つながらず「見捨てられた存在」と市民悲鳴

2021年5月27日 07時17分
 横浜市は二十六日、高齢者の新型コロナワクチンの大規模接種について、六月六日から中区の複合施設「横浜ハンマーヘッド」で、約九万二千人に行うと発表した。六月の集団接種の予約受付数も明らかにし、個別接種の予約見込み数と合わせると、七月末までに希望する全高齢者への接種を終える計算となった。 (杉戸祐子)
 市によると、大規模接種は七月三十一日まで休みなく実施する。一日当たり約三千〜三千六百人の接種を想定する。使用ワクチンは米モデルナ製。会場にはJR・横浜市営地下鉄の桜木町駅から五分間隔で、無料のシャトルバスを運行する。予約は五月三十一日から七十五歳以上を対象に約四万二千人分、六月三日から六十五〜七十四歳を対象に約五万人分を受け付ける。
 集団接種は五月三十一日に予定していた一万人分の予約受け付けを取りやめ、六月七日に約一万四千人分、十四日に約一万六千人分の予約を受け付ける。
 これまでに受け付けた集団接種と個別接種の予約計約二十二万人分に、新たに示した大規模接種と集団接種、さらに個別接種の予約見込み数を加えると、七十三万人分超になる。対象者約九十万人の八割が接種を希望する想定で、全員が予約できる数字という。
 林文子市長は定例記者会見で「ワクチン量は確保できており、希望する高齢者すべてが七月末までに必ず接種できる」と強調。「近くの医療機関(での個別接種)も検討し、焦らずに予約をお願いしたい」と述べた。
 また、個別接種や国の大規模接種センターとの「二重予約」を解消するため、予約キャンセル専用電話=フリーダイヤル(0120)045154=を、六月七日に開設することも発表した。

◆市は電話回線110増 市民「つながらない」悲鳴相次ぐ

 横浜市では三日の集団接種の予約開始以降、高齢者から「予約センターに電話がつながらない」という声が相次いでいる。このため同市は二十六日、回線を百十回線増やし、最大五百三十回線とすると発表した。ただ、林文子市長は会見で「完璧にというのは難しい」と述べ、引き続き電話がつながりにくい状態が続くことを認めた。予約を取れない高齢者からは「私たちは見捨てられた存在」と切実な声が出ている。 
 市によると、集団接種と市を通じて予約する個別接種に加え、新たに始める大規模接種の予約を受け付ける電話回線を、六月七日に三十六回線、二十一日に七十四回線増やす。集団接種の予約開始時は四百回線で、その後、四百二十回線に増やしたが、つながりにくい状況が続いている。
 戸塚区の斎藤和恵さん(79)は毎日電話をかけているがつながらず、「私たちは見捨てられた存在。棄民になっている」と実感を語る。多い日は四十、五十回かけるが、「つながらなくて血圧が上がるばかり」
 個別接種も検討したが、かかりつけの内科は接種をしていなかった。かかったことのない医療機関にも数カ所連絡したが、通院歴がないことから断られた。大規模接種が始まっても「問題は電話がつながるかどうか。あまり期待はできない」と本音をのぞかせた。
 栄区の男性(83)も「毎日三十〜五十回かけているがつながらない」と嘆く。心臓病やがんの治療を受けた病院での接種を望んでいるが、市の予約センターを通じて予約する施設なので、電話がつながらなければ予約できない。パソコンやスマートフォンを使わないため、インターネット予約はできないという。
 高血圧などの持病を診てもらっているかかりつけ医は接種をしていない。妻(81)の分も予約できておらず、「二人とも持病があるので感染すると危険。一刻も早く打ちたい」。大規模接種会場の開設に期待を寄せる一方、「電話が一切通じない状況が変わらなければ行動できない」と焦りをにじませた。

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