「市民の応援 士気高まる」 前橋市内で五輪合宿 南スーダン選手と高橋尚子さん トーク

2021年5月27日 08時05分

映画について語る高橋尚子さん(右)とアブラハム選手=前橋市で

 アフリカ出身のマラソン選手が五輪に出場した姿を描く、米ドキュメンタリー映画「戦火のランナー」(88分)の試写会が25日、6月5日からの上映を前に前橋市千代田町の前橋シネマハウスで開かれた。終了後には五輪女子マラソンの金メダリスト高橋尚子さんと、東京五輪に向け市内で長期合宿を続ける南スーダン陸上選手団のうち、男子1500メートルのグエム・アブラハム選手(22)がトークイベントで映画や五輪をテーマに語り合った。 (市川勘太郎)
 映画は独立前のスーダン南部出身のマラソン選手グオル・マリアルさん(37)の半生を追う。内戦が続く中、両親は八歳だったグオルさんを一人で逃がす。戦場をさまよい武装勢力に捕まるが、走って逃げて難民キャンプに行き着く。
 十六歳で米国へ渡り、入学した高校の陸上部でマラソンの才能を見いだされ、個人参加選手としてロンドン五輪に出場。二十年ぶりに両親と再会を果たし、東京五輪に向けトレーニングする様子も紹介する。

母親と再会を果たしたグオル選手(左)=映画の一場面、(c)Bill Gallagher

 トークイベントで、高橋さんは映画に触れ「私たちが予想もできないような過酷な状況があることを目の当たりにした。諦めずに前進して未来を開いてきたグオル選手の姿に胸が熱くなった」と感想を語った。
 アブラハム選手は「戦争は人類の最大の敵。グオル選手は強さと愛国心に満ちていて、勇気づけられた」と強調。自身の経験として「南スーダンの練習環境は厳しく、靴がない選手は血を流して走っていて心を痛めた」と明かした。
 さらに東京五輪に向け「市民が応援してくれて、私たちの士気は高まっている。良い結果を残し、南スーダンの人々に誇りに思ってもらい、幸せな気持ちにできたら」と意欲を見せた。
 上映は六月二十五日までの予定。一般千七百円。火曜休館。

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