県内農業に危機感 産出額大幅減、年間所得目標厳しく…

2020年1月29日 02時00分
 本県の主要産業の農業が振るわない。2018年の農業産出額は、野菜価格の低迷などを受け大幅減少したほか、販売農家1戸当たりの年間所得も同様で、好転のきっかけをつかめていない。年間所得について、県は27年に1100万円を目標に掲げるが、厳しい情勢だ。 (鈴木学)
 「小規模兼業農家が多く、企業参入が少ないなど、茨城の農業の課題を突きつけられた結果だ」
 農業の現状について、大井川和彦知事は二十二日の会見でそう話し、危機感をあらわにした。
 農林水産省のまとめによると、売り上げを示す農業産出額は一八年、四千五百八億円(前年比四百五十九億円減)。一六、一七年は四千九百億円台を維持していたが、大幅に減らした。
 都道府県別では三位。二年ぶりの二位はかなわなかった。一七年に、十年ぶりに二位から三位に後退していた。上位五位は上から順に北海道、鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県。一七年から変動がなかった。
 県農業政策課によると、産出額が全国でも上位のハクサイやレタスなどが全国的に豊作となり、価格が低下した。保冷技術や輸送手段が改善するなどで、同じ農産物が全国から首都圏に集まるようになり、近いことがメリットと言えなくなってきているという。
 この影響で本県産出額の約四割を占める野菜が前年から三百六十三億円減少。同じく約一割を占める鶏卵も、生産量が過去最高を更新し、相場の低迷により六十七億円減った。
 全国的に産出額が減少する中、野菜ほどは差が出にくいとされる畜産が主力の二位・鹿児島は一七年比百三十七億円の減少。一七年に、三十三億円だった本県との差は十倍以上に広がった。
 農業産出額から経費を引き、補助金を加えた生産農業所得については、本県は千六百八十五億円で一七年と同じ二位だった。
 この生産農業所得を販売農家数で割って算出するのが、販売農家一戸当たりの所得で、一八年は三百三十万円と一七年比四十四万円減。都道府県別でみると、一七年と同じ十一位だった。
 一戸当たりの所得は県が独自に算出しており、トップは北海道で千四百十三万円。産出額で本県を下回っている群馬県は三百九十四万円(七位)、千葉県は三百七十一万円(九位)と、本県より上位になっている。
 県総合計画で、農家一戸当たりの所得の目標を二一年で五百万円、二七年で千百万円に置く。目標達成にはほど遠い。
 現状を打破するため、大井川知事は、農業の大規模化や企業参入の促進、ブランド化などを進める方針を示した。

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