ネットいじめ、あなたなら? 生徒間で議論するためのマンガ教材を制作

2021年5月29日 19時50分
マンガ教材 女子版の1ページ

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 インターネット上でのいじめについて考える中高生向けのマンガ教材を、関東学院大の折田明子准教授(情報社会学)らが制作した。いじめはちょっとした行き違いから起きるもの。ネット空間で「やっていいこと」「悪いこと」の知識を学ぶのではなく、自分ならどうするかを考え、他者と話し合うことに重点を置いている。(小嶋麻友美)

◆絶対悪はいない「気付きを話し合って」

 教材は男子中心と、女子中心の2種類。女子生徒バージョンは吹奏楽部が舞台で、主人公は部活に遅れがちな友人と、責任感の強い部長との間で板挟みになる。遅刻は家庭の事情であることを知っているが「個人情報だから」と主人公は話せず、部長は他の部員たちと会員制交流サイト(SNS)で相談。結果的に仲間外れの形になった友人は、部活に姿を見せなくなり-という設定だ。
 男子バージョンも、SNSでのささいなやりとりが、思いもよらない事態に発展する。どの登場人物も絶対的に悪いわけではなく、それぞれ心の動きがこまやかに描かれ「読む人によって状況の見方や気づくことが異なり、それを自分の言葉で説明することで他人との違いがあぶり出せる」と折田さん。読んだ上で、誰に共感したか、主人公はどう行動すべきだったかなどを話し合ってもらうことを想定している。

◆「ネットいじめ」は過去最多

 文部科学省の2019年度の調査では、パソコンや携帯電話での誹謗ひぼう中傷、嫌がらせの件数は過去最多の1万7924件。特に中学生は11年度の5倍。「ネットいじめ」対策は急務だが、従来の文科省などの教材は正解や失敗例を説くものが多い。
 折田さんは「ただ配って読ませるだけでは子どもには響かない」と指摘。「教材を使った議論で、教員など大人も子どもたちのリアルなネット利用の日常を知ることができる」と話す。
 科学技術振興機構・社会技術研究開発センターのプロジェクトの1つ。このマンガ教材がほしい人は、 netriskedu@gmail.com に問い合わせを。

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