洋上風力 全国で原発10基分の計画 将来性ある再生エネルギー

2020年1月23日 02時00分

銚子沖では国が2013~17年に洋上風力発電の実証事業に取り組んだ。現在は東京電力が商用運転する(新エネルギー・産業技術総合開発機構提供)

 洋上風力発電は、海に囲まれた日本にとって、太陽光に続く将来性のある再生可能エネルギーだ。
 日本風力発電協会の試算では、風車の土台を海底に固定する「着床式」だけでも九千百万キロワットの潜在力があり、単純計算で最新型の原発六十~七十基分に相当する。現在、原発十基分ほどに当たる約千四百万キロワット分の事業計画(一部、区域の重複あり)で、騒音や生態系への影響を調べる環境影響評価(アセスメント)の手続きが進む。
 ただ、日本は海域利用のための法整備が遅れたこともあり、ヨーロッパや中国には大きく後れを取る。世界風力会議(GWEC)の二〇一八年報告書によると、世界の洋上風力の導入量は二千三百十万キロワット。このうち八割以上は英国、ドイツ、中国の三カ国が占める。一方、日本は一九年末現在六・五万キロワット(半洋上風力を除くと二・一万キロワット)で、同じ島国の英国の百分の一以下にとどまる。
 洋上風力には、▽陸上より安定して強い風が吹く▽土地の制約がなく大規模設備を建設できる▽風車の土台を新たな漁場として活用できる可能性がある-などの利点がある。その半面、海底の送電線敷設などが必要で建設・維持費がかさむため、大量導入によるコスト削減が不可欠だ。
 洋上風力の建設方式は、「着床式」と、風車を海上に浮かべる「浮体式」の二通り。メガサイト鹿島や東電の銚子沖の計画はいずれも着床式だが、遠浅の沿岸が少ない日本では適地に限りがあり、浮体式の普及にも期待がかかる。 (宮尾幹成)

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