鹿島港 洋上風力の組み立て拠点に 近隣の千葉・銚子沖適地

2020年1月23日 02時00分

洋上風力発電の風車組み立て拠点として整備される見通しとなった鹿島港の一画。後方の風車は、陸上にあるサミットウインドパワー鹿嶋発電所=鹿嶋市で

 洋上風力発電所を建設する際、大型風車などの設備をあらかじめ組み立てる拠点となる基地港が、鹿島港の外港地区(鹿嶋市)に国の直轄事業で整備される見通しとなった。近隣では千葉県銚子沖が洋上風力の適地として有望視され、東京電力が最大三十七万キロワットの発電所を計画中。こうした計画の前線基地となることで、県は鹿島港の利用促進や周辺への関連産業集積にもつなげたい考えだ。 (宮尾幹成)
 十四日に開かれた県地方港湾審議会(知事の諮問機関)が、外港地区の一画(五ヘクタール)を基地港にするとの港湾計画変更案を了承。二月中旬に予定される国の交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)の港湾分科会で正式に決まる。
 洋上風力発電を巡っては、沖合の海域利用のルールなどを定めた「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(通称・洋上風力発電普及法)」が昨年四月に施行された。
 国は、地元合意などが整った銚子沖など四カ所を有望な区域として、風況や地質の調査に着手している。このうち長崎県五島沖が昨年末、法律に基づく「促進区域」に初めて指定された。銚子沖も近く指定される方向だ。
 洋上風力の発電設備は大型化が進み、最大規模の一・三万~一・五万キロワット級では柱の高さが二百メートル、風車の直径が二百五十メートルにもなる。海上での建設作業を減らすには、陸上である程度、組み立てておく必要がある。鹿島港は、巨大な資機材の搬出入や保管、組み立てのための広いスペースを確保でき、銚子沖にも近いことから名乗りを上げた。
 県港湾課は「洋上風力は部品が一万~二万点と多く、事業規模が数千億円に至る場合もあり、地元産業への波及効果が期待される。成長が見込める作業で、質の高い雇用創出にもつながる」と熱視線を送る。
 県内にも洋上風力の実績はある。神栖市の鹿島港沖では、海岸に近い防波堤上に風車を設置する「半洋上風力」と呼ばれるタイプの「ウィンド・パワーかみす第1・第2洋上風力発電所」(計十五基、三万キロワット)が稼働中。この沖合に三十六基(一八・七万キロワット)を建てる「メガサイト鹿島」の計画も進む。

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