<ひと ゆめ みらい>病気のネコ 居場所つくる 保護ネコ団体メンバー・伊藤綾子(いとう・あやこ)さん(47)=あきる野市

2021年5月31日 06時37分

元保護ネコの愛猫「ロー君」を抱く伊藤さん=あきる野市で

 「家の近くに野良猫がすみ着いている」−。こんな相談を受けると、現地へ駆けつけてネコを保護。動物病院で健康状態を確認し、必要な治療や不妊去勢手術をして引き取り手を探す。保護ネコ団体「福生ネコサポ」のメンバーとして日々奔走する。「不幸なネコを減らしたい。将来は地元のあきる野市に病気のネコのためのシェルターを作りたい」と意気込む。
 保護したネコが感染症の猫エイズ(FIV)や猫白血病(FeLV)の検査で陽性だと、他のネコに感染させる可能性があり、健康なネコとは分けて飼う。ただ、引き取り手が決まるまで自宅などでネコを世話する「預かりボランティア」の数には限りがある。
 「福生ネコサポの『預かりさん』は七人。私も今、飼い猫のほかに三匹預かっている。陽性だった時に対処できるのか不安で、検査結果はいつも祈るような気持ちで待っています」
 これまでにネコサポで保護した約五十匹は皆、陰性だったが、いつ陽性の猫が来るか分からない。特にFIVに感染したネコは長期間発症せず、元気に過ごす場合もある。他のネコにうつさないように、屋内で安定的に面倒を見られる環境が必要だ。解決策として、病気のネコ専用のシェルター構想が浮かんだ。
 参考にするのは、インターネットで知った盛岡市のNPO法人の活動だ。保護ネコと新しい飼い主が出会う保護猫カフェの建物に、FIV陽性のネコだけの部屋を設けている。「クラウドファンディングで、あきる野の空き家を改装し、同じようなシェルターを作りたい。西多摩地区には高齢者施設が多いので、動物好きのお年寄りがネコと触れ合えるようにもしたい」と構想を練る。
 ここまでネコのことを考えるのは、やはりネコが好きだから。物心ついた頃からずっとネコを飼っていた。「両親が共働きだったので、学校から帰ると一人。でも、ネコがそばにいて支えてくれた」と振り返る。
 保護活動は別の団体の預かりボランティアから始めた。二年ほど前から本格的な活動に入り「西多摩はボランティアの数が全然足りない」と課題も痛感するようになった。
 目標は十年後のシェルター完成だ。実現には他の団体や行政との協力が欠かせないので、今は地道に活動しながら勉強と人脈作りを続ける。「西多摩全体の団体を巻き込んで、ネコたちを助けていきたい」 (林朋実)
<福生ネコサポ> 2020年8月設立。佐竹真由美代表。保護、引き取り手探しのほか、状況によっては不妊手術後に元の場所へ戻す活動も行う。ネコの引き取り希望や寄付の問い合わせは公式ホームページから。「福生ネコサポ」で検索。

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