北朝鮮「破廉恥な二重基準」 韓国のミサイル開発制限撤廃に反発

2021年5月31日 19時52分

平壌で開かれた「朝鮮職業総同盟」の第8回大会(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=中村彰宏】北朝鮮は、5月の米韓首脳会談で合意した韓国のミサイル開発を制限する指針の撤廃に対し、「意図的な敵対行為だ」と反発した。朝鮮中央通信が5月31日、論評を報じた。北朝鮮が首脳会談後に反応したのは初めて。
 論評では「われわれの自衛的措置を国連決議違反だと追い詰めながら、韓国には無制限のミサイル開発を許した。破廉恥な二重基準だ」と米国を非難。「米国と韓国が侵略の野望を明らかにした以上、われわれの国家防衛力強化に対して何も言えなくなった」と強調した。
 「実用的なアプローチ」とする米バイデン政権の対北政策に対し、「多くの国が権謀術数にすぎないと感じている」と指摘。指針撤廃に「喜ばしい」と述べた韓国の文在寅ムンジェイン大統領についても「あちこちの反応に神経をとがらせている姿は実に腹立たしい」と批判した。
 論評は国際問題評論家の名義で、外務省による談話や声明ではないため、対話の余地を残す意図もうかがえる。韓国統一省の報道官は31日、「個人名義の文章で、政府が論評をすることは適切ではない。北朝鮮の反応は、慎重な立場で見守る」と述べた。
 指針撤廃により、北京などにも届く射程800キロ以上のミサイル開発が可能になる。論評は「わが国の周辺国家を狙う中距離ミサイル配備を合法的に実現しようとするのが米国の下心だ」と主張。中国は指針撤廃に直接の言及を避けており、韓国の北朝鮮専門家からは「中国との協力を模索する北朝鮮が中国の声を代弁した」との見方も出ている。

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